大西康之著「最後の海賊 楽天・三木谷浩史はなぜ嫌われるのか」小学館

僕がこの本のことを知ったのはネットのニュースではなかったかと思う。ちょうどその時、携帯電話のキャリアをdocomoのahamoから楽天モバイルに切り替え、Amazonの経済圏から楽天経済圏に軸足を移した頃だったので、サブタイトルである「楽天・三木谷浩史はなぜ嫌われるのか」という部分に興味を持った。

自分の携帯キャリアが楽天モバイルになったことと、100株だけだが株主になったことで楽天という会社について関心が向いていたので、この本を購入し読んでみたのだが、予想外に面白かった。

まずは楽天モバイルの「携帯ネットワークの完全仮想化」という技術や、それを採用して推し進めてしまう三木谷浩史という男の思考に興味が向いた。三木谷浩史は実業家であるが、実はエリートコースを歩いていた人物であり、そのために発言に不用意な一言を付け加えることが度々あり、それが嫌われる一因になっている、という指摘が本書で書かれていた。

確かに僕が昔iPad Proのセルラーモデル用に楽天モバイルと契約していた時には、1GBまで利用料無料だったのを3GBまで1078円に改悪し、その時に三木谷浩史が「ぶっちゃけ0円で使われても困る」という趣旨の発言をして批判を受けていたことを思い出した。僕もそれに反発したため、iPad Proのセルラーモデルの契約をPovoに切り替えた経緯はあった。

ただ、それから1年経過し、iPhone用の契約キャリアであったahamoが使えなくなり、成り行きで楽天モバイルに戻ってきたことで、楽天に対する批判は消えていたので、本書で書かれていた三木谷浩史やその部下たちの経歴や取り組み内容は、確かにベンチャー企業的な動き方で面白いな、今の日本の企業では行わない取り組み方だな、と感じた。

本書では三木谷浩史とその部下に対しては比較的好意的に書かれている。そのせいもあるのか、読みやすい。その分、サブタイトルの「楽天・三木谷浩史はなぜ嫌われるのか」という問いかけに対してはあまり尺を割いていないように思う。著者である大西康之氏が三木谷浩史に密着している関係もあるのだろうと思う。

ただ、今の日本が抱える問題に対して、ある種の解決策を提示しているようにも読める。海賊のような新たな事業に挑戦する実業家が今の日本にはほとんどいない、という点からもそれは伺える。

ビジネス書としては面白い視点を持っていると思うので、楽天経済圏に取り込まれている人は、一読してみることをお勧めする。

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