スター・トレック:ストレンジ・ニュー・ワールド シーズン3第4話「宇宙冒険の時間」(Paramount+/Amazon Prime Video)

あらすじ

ラアンとスポックはダンスのレッスンをしていて、お互いの距離が縮まっていた。

そんな中、エンタープライズは中性子星の調査とともに、艦内に設置されたホロデッキのテストを行うことになり、ラアンがその担当を務めることになる。

ホロデッキはまだテスト段階で、エンタープライズのコンピューターやエネルギーを大量に消費する代物であった。ラアンとスポックはエンタープライズのクルーのアバターをホロデッキに投影することにして、ラアンが気に入っていた1960年台の探偵小説、アメリア・ムーンを題材にした推理物をホロデッキで挑むことになる。

ホロデッキでは殺人事件が起こったという設定でプログラムが動いていて、ラアンは探偵アメリア・ムーンとして殺人事件の解決に挑むことになるが、途中から探偵の相棒としてスポックを呼び出すことになる。

ホロデッキ内のプログラムは1960年代のSFテレビドラマ「ラスト・フロンティア」をめぐる殺人事件が展開されていたのだが、ラアンが調査中、怪我を負う事件が発生する。スポックはプログラムが暴走しているとしてプログラムの停止をコンピューターに要求するが、プログラムは止まらなかった。

その頃、エンタープライズは中性子星の調査をしていたのであるが、ホロデッキのプログラムがエンタープライズのコンピューターとエネルギーのリソースを食い潰していたため、危機が迫る。スコットの機転により、中性子星の脅威を回避できたものの、ラアンと連絡が取れず、プログラムの終了もできない状況で、スコットはアバターのふりをして、ラアンに「プログラムを終了させるためには、殺人事件を解決するしかない」と連絡を取る。

そして、ラアンは「ラスト・フロンティア」製作陣の殺人事件の解決を試みる。犯人は意外な人物だった。

感想

エピソード4は、なんと「新スター・トレック:ザ・ネクスト・ジェネレーション」以降にお馴染みのホロデッキが、この「スター・トレック:ストレンジ・ニュー・ワールド」の世界で展開されるという意外な設定で物語はスタートする。24世紀にあたりまえに存在していたホロデッキではあるが、23世紀のカーク船長より前の時代であるはずの「ストレンジ・ニュー・ワールド」でホロデッキが存在していいのか? と疑問を抱きながら見ていたら、ラストは「今の状態で利用するにはリスクが高すぎる」という結果に終わって普及しない状況になったので、スター・トレックの歴史からははみ出していない状況になったと言える。

そのホロデッキで描かれたドラマは、ラアンが探偵であるアメリアに扮して、テレビ業界で発生した殺人事件の解決に挑む、というものであるが、テレビ業界で制作していたのが、まるで「宇宙大作戦」のようなSFテレビドラマ「ラスト・フロンティア」というところはかなりうちわ受けして面白い。エピソードの最初からワイドテレビのスクリーン全体を使って「ラスト・フロンティア」のドラマを描き、かつオープニングクレジットも「ラスト・フロンティア」のオープニングクレジットとしてこのエピソードが始まるので、予想外の展開に唖然としたものである。そして、「ラスト・フロンティア」が実は「宇宙大作戦」と同じく現実の社会の問題をうまく取り入れたSFドラマとして成立しているという設定は、セルフパロディーになっている。

本質的な部分とは少し外れるが、チャペルとの関係が終わってしまったスポックが、ラアンと接近していくのは、今後の展開に意外性を持たせるものになっている。ラアン自身もそもそもハードな生き方をしてきた人物なので、色恋沙汰とは無縁な人という印象が強く、予想外の展開である。

今回のエピソードは、5.1chサラウンドで配信されているので、音響設定がユニークだった。これだけで楽しめる部分はある。

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