レビューの詳細は、ザ・ビートルズ:Let It Be(4K UHD/Disney+)|Apple TVで観た映画のレビューを参照のこと。
何年か前に、「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズを成功に収めてアカデミー賞を受賞したピーター・ジャクソン監督が、ザ・ビートルズの最後の映像をもとに制作した「ザ・ビートルズ:Get Back」というドキュメンタリー作品を公開し、話題になったことがあった。特にファンというわけでもないが、気になったドキュメンタリー作品だったが、あまりに上映時間が長いので手を出せずにいた。
この5月8日に、Disney+では、「ザ・ビートルズ:Get Back」の元になっている1970年制作のドキュメンタリー映画「ザ・ビートルズ:Let It Be」を54年ぶりに復元して、4K/DOLBY VISION/DOLBY ATMOSの最強スペックで配信を開始した。上映時間も1時間半を切る短さなので、「こちらならば鑑賞できるな」と思い、本日鑑賞した。
特にザ・ビートルズのファンというわけではないが、彼らの楽曲には親しみを感じているし、馴染みの楽曲も多い。だから、バンドの末期のセッションレコーディングの様子や、「ザ・ビートルズ:Get Back」でも話題になったルーフトップ・コンサートの模様には関心を寄せていた。
作品は変な編集はなしで、ただありのままのザ・ビートルズのレコーディングセッションとルーフトップ・コンサートの様子を淡々と記録しているだけだが、その中からバンドの崩壊の予兆を見て取ることはできる。ザ・ビートルズのバンドとしての崩壊の話はファンじゃなくても予備知識として知ってはいるので、その現実をドキュメンタリーで突きつけられても、「そういう雰囲気だったのね」と納得するだけである。
ただ、最後の公の場でのライブであるルーフトップ・コンサートの様子は素晴らしい。バンドの円熟した演奏を楽しむことができる。シーンとしては全てではないのだが、このコンサートの模様を見られただけでも、このドキュメンタリーを見た甲斐があったというものである。
この映画が4K/DOLBY VISION/DOLBY ATMOSでレストアされたのには、ピーター・ジャクソンの「ザ・ビートルズ:Get Back」の成功があったためであり、伝説の映画がようやく日の目を見たところに意義があると思う。
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