あらすじ
ウイリアム・カプランという若者がパーティーに両親と共に出かける。ウイリアムは、リリアらしき占い師から手相を見てもらって、未来を予言してもらう。しかし、ウイリアムの生命線は2つに分かれていた。その意味をリリアらしき占い師はきちんと告げなかった。
パーティーが行われている最中、ウエスト・ビューで異変が起こり、皆自宅に帰るよう指示が出る。ウイリアムも両親と共に車で家に帰ろうとする。ウエスト・ビューでは結界らしきものが張られていた。その結界が破れる瞬間、ウイリアムの乗っていた車は事故を起こし、ウイリアムは負傷すると同時にどうも何者かがウイリアムの体を乗っ取った感があった。
ウイリアムは生命は取り留めたが、彼の身には異変が起こり、彼に相対する人々の心のうちが読めるようになってしまっていた。最初は彼の両親の心のうちが読めるだけで、それに困惑していたのだが、3年後、エディという友達が彼に性的好意を持っていることを読み取り、彼に対してそれを受け入れる発言をする。
そして、エディは、ウイリアムが肌身離さず持っているシジルが書かれた木片のことを尋ねる。シジルが描かれた木片は、3年前のパーティーの席でリリアらしき占い師がこっそりウイリアムの上着に入れておいたものである。それが何の意味をなしているのかはわからないが、ウイリアムは肌身離さず持っていた。
ウイリアムとエディは3年前の謎の結界に関する事件を調べようと、フラッドという人物と接触する。フラッドはかつてワンダの魔術によってアガサの夫として存在させられていたと、不満を告げていた。そして、ワンダ・マキシモフとその夫、ヴィジョン、双子の息子ビリーとトミーはいなくなったと告げる。
真相を知るにはアガサを調査するのが早いと、ウイリアムはアガサの家に侵入して調査をするのだが、アガサに見つかって捕まってしまい、その後の話はアガサが魔女の道を歩み出すところから謎の少年としてついて行く存在になる。しかし、ウイリアムは実は実体はウイリアムではなく、ビリー・マキシモフであり、魔女の道をアガサと一緒に進むのは、双子の兄弟トミーを探すためだと白状する。
感想
今回の話は、名のわからない少年の過去と、正体をじっくりと描いているところであり、ここにきてようやく単独シリーズに近かった「アガサ・オール・アロング」が、「ワンダヴィジョン」と関連するマーベルらしい展開になってきている。
物語自体も少年がウイリアムという本名を名乗っていた頃からの話になっていて、彼が正気を失うのが実は「ワンダヴィジョン」のワンダの結界がウエスト・ビューから消えた時と同じというところが面白く感じた。ワンダ・マキシモフ自体は番組には一切登場しないのに、その存在感は強烈に残るという設定が面白い。
そして、ウイリアムの真の正体がラストの方で明かされるのだが、なぜウイリアムがシジルという魔術にかかっていたのかがある程度は判明し、謎が解けてクリアになった感はある。
ただ、前エピソードでウイリアムが魔術を使って、リリアとジェンを沼に叩き落としてしまい、始末してしまったので、魔女の道を歩むのはアガサとウイリアムの二人だけになりそうな感じがしていて、残りのストーリーが気になるところではある。
また、物語的に気になったのは、ウイリアムが同性愛を受け入れるという展開である。妙なところでLGBTQを入れてくるなという気がしないでもないが、この番組自体が奇妙な話ではあるので、それはそれでいいかという気もしてくる。
今回のウイリアムのエピソードは、アスペクト比が1.66:1のヨーロピアン・ビスタサイズで提供されるので、また意図的なアスペクト比だなと感じる部分はある。魔女の道の世界に入るとシネマスコープサイズに戻るのだが。
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