あらすじ
ウォッチャーは、リリ・ウィリアムズがクエンティン・ベックに負けてしまう時間軸を何回も見てきた。今回もその展開になるはずだった。
セレスティアルズが復活してしまい、エターナルズが集結する前だったので、地球に”出現”が現れ、地球を破壊してしまった。その期に乗じて、スターク・インダストリーズを乗っ取っていたクエンティン・ベックは、アイアン連邦を作り出し、人類を支配していた。
それに対して、リリ・ウィリアムズは古いトースターなどからある兵器を作ろうとしていた。それを知っていた反乱同盟は、リリに合流し、兵器開発を急がせる。しかし、彼女たちの前にベックが放った刺客、ヴィジョンが現れ、反乱同盟を粉砕していく。
反乱同盟はリリを保護しつつも兵器開発を任せるのだが、時間にして7分半しかなかった。リリはぼやきながらもなんとか兵器開発を成し遂げ、ヴィジョンを破壊することに成功する。
兵器の開発に成功したリリと生き残った反乱同盟は、ベックを倒そうとする。そのために、リリは倒したヴィジョンの機能を自分の体と同期させて、ヴィジョンの能力を持ってベックの隠れ家に急ぐ。
ベックはナノプローブをもって幻影を生み出していたが、ヴィジョンと融合したリリはそれを見抜いてベックの隠れ家に潜入する。しかし、ベックの方が上手で、リリは絶体絶命の危機に陥る。ウォッチャーはそれを見守るしかなかったのだが、突然行動の変化を起こす。
感想
今回のエピソードは、なんとまだ本編が語られていない「アイアンハート」こと、リリ・ウィリアムズが主役で、敵が「スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム」でスパイダーマンの敵になったミステリオことベックというところが、意外性ある設定になっている。
しかも、セレスティアルズが復活したために地球自体は壊滅してしまったという絶対的に重い設定の中での話であるし、物語冒頭でウォッチャーが、「リリはベックに負ける」と宣言しているのだから、結論がわかっている中でどう話を展開していくのか、興味が尽きなかった。
意外性のあるキャラの活躍が物語の骨子であるが、ウォッチャーがシリーズの中で時々犯す時空の定めを壊す行為が、今回も発動し、リリ対ベックの戦いの結末が書き変わってしまう設定は、大変爽快である。
そして、ウォッチャーが犯した行為が実はマルチバースの設定とリンクしているのは、大変面白い。MCUで破棄されたカーンという敵の話に似た展開に、ワクワクするものを感じたものである。
シーズン3の中では一番シリアスな展開だったのではないかな、と思う一編である。
コメント