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マーベル・シネマティック・ユニバースのシリーズもので、アベンジャーズのリーダー格であるキャプテン・アメリカを主人公にしたシリーズ第4弾が、この「キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド」である。
シリーズ第4作目ではあるものの、「アベンジャーズ:エンドゲーム」でキャプテン・アメリカを名乗っていたスティーヴ・ロジャーズは引退してしまったので、Disney+で配信されていた「ファルコン&ウインター・ソルジャー」で描かれたドラマを継続して、キャプテン・アメリカの相棒だったファルコンことサム・ウィルソンがキャプテン・アメリカの名を継いで、二代目キャプテン・アメリカとして活躍する新章になる。
物語は、MCU初期の「インクレディブル・ハルク」からの設定を持ってきたり、「ファルコン&ウインター・ソルジャー」からの設定を持ってきたり、「ブラック・ウィドウ」からの設定を持ってきたり、「エターナルズ」からの設定を持ってきたりと、シリーズをずっと見て来ていないと、わかりづらい部分は多分にある。シリーズを見てきている僕にしても、「このキャラ、どこで出て来たのだっけ?」と悩む部分はよくあった。
それでも、「アベンジャーズ:エンドゲーム」以降の混沌とした世界、あえていうならば現実の混沌とした世界を反映させた世界観で、サムがキャプテン・アメリカとなって、敵と戦う様子は、序盤こそ違和感を感じさせるものがあったものの、最後にはしっくりくる展開にはなっている。「エターナルズ」で出てきたセレスティアルズが、ヴィヴラニウムより固い合金であるアダマンチウムとして、世界中の争奪戦になっているところは、混乱の極地であり、MCUの世界観の複雑さを示していると言える。
「インクレディブル・ハルク」との関連性がかなり高く、サディアス・ロスがアメリカ大統領になるし、彼が操っていたスターンズがロスをレッド・ハルクに変身させるし、ロスの娘のベティがラストで出演したりと、MCUの中でも人気のない「インクレディブル・ハルク」の再評価につながる展開になっているのは面白いと思う。
今回は、サムが二代目キャプテン・アメリカとして活躍するが、ウインター・ソルジャーは出演しないのかな? 「サンダーボルツ*」で主役張るから出てこないのかなと思ったら、一瞬だけだが出演したので、一応「ファルコン&ウインター・ソルジャー」とのつながりも確認できて楽しい。
映像はIMAXの1.90:1のスクリーンに拡張するシーンが多く、映像に対する没入感は高い。IMAXレーザーGTだとスクリーンの上下は黒画面で映っていないのだが、迫力が削がれることはない。普通の人間であるサムが超人のように活躍する姿は、なかなか魅力的である。
音響もIMAX 12Trackサラウンドなので、没入感が高い。IMAXの場合は音圧が高いので、迫力ある音響になっている。
ベストな作品とは思えないが、見ても損はしない作品にはなっていると思う。ただ、他のMCU作品を見ていないと分かりづらいところだけは、残念ではあるものの。
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