あらすじ
バテル艦長の体内からゴーンの遺伝子を一掃したと思っていたのだが、まだ残っていて、バテル艦長の容態が悪くなっていった。スポックは、ケンフォリという惑星で連邦が研究していたキメラ・ブロッサムという植物があれば、ゴーンの遺伝子の増殖を抑えられると提案する。しかし、ケンフォリという惑星はかつては連邦が所有していた物の、その後のクリンゴンとの紛争により、現在は双方が接近できない惑星になっていた。スポックとムベンガの二人が規則を破ってケンフォリに上陸する案を提出するが、パイクは「規則を破って懲罰を受けるのは自分だから」と、スポックの代わりにムベンガとケンフォリに上陸するように動く。
ケンフォリ周辺にはクリンゴンの通信ブイが設置されていた。シャトルで密かにケンフォリに上陸しようとしていたパイクたちは通信ブイの発信内容を確認するが、「近づくな。帰れ。」という伝言が発信されていた。
ケンフォリに上陸したパイクたちはトライコーダーで状況を調べるが、生命体は存在していなかった。その代わりに何者かによって食い荒らされた遺体があちらこちらに点在していた。
連邦の研究施設に侵入したパイクたちは、キメラ・ブロッサムを見つけ、採取する。しかし、そこにクリンゴンがやってきて、パイクたちは危機に陥る。パイクたちはクリンゴンと戦うのだったが、途中でゾンビが双方に襲いかかり、クリンゴンの1名はゾンビの犠牲になる。
ケンフォリの空域でもクリンゴンの戦艦を発見するのだが、パイクたちを救助するためにウーナなどの士官は作戦を検討する。その中でオルテガスだけは強硬な意見を提案し、ウーナにはねられる。
パイクはムベンガにキメラ・ブロッサムのことを聞き、連邦の住民がキメラ・ブロッサムを抽出した時にコケに影響を及ぼし、コケが連邦の住民に影響を与えてゾンビ化した、ということがわかる。また、バテル艦長へのキメラ・ブロッサムによる治療は、ゴーンの遺伝子を除去することではなく、ゴーンの遺伝子とのハイブリッド化を図る物であることをパイクは知る。スポックとムベンガ、バテルだけの秘密であり、そのためにケンフォリ上陸はスポックがムベンガと一緒に行こうとしていたのである。
その話をしている時に再びゾンビが襲ってくるが、クリンゴンに助けられる。しかし、クリンゴンの一人はかつてムベンガが殺したクリンゴンの娘であり、名誉の回復のためにムベンガとの決闘を申し込む。ムベンガも決闘を受けてたち、ゾンビが襲ってくる中、決闘が始まる。
パイクたちを救出しようとするエンタープライズは、クリンゴン戦艦に見つからないよう低速度で進んでいたが、オルテガスが密かにウーナの指示を無視して速度をわずかに上げたため、クリンゴン戦艦に見つかってしまう。
感想
このエピソードは、まだゴーンとの死闘の影響を受けているものになっているが、ゴーンに卵を産み付けられたバテル艦長を救うためと、どうもゴーンの影響を受けているらしいオルテガスの行動の不審さを描いていて、その先のエピソードでもその影響は徐々に大きくなりそうなので、目が離せない展開になっている。
ただし、物語としては独立したエピソードとして描かれているので、ゴーンとの死闘の話を見ていなくてもある程度はわかる。話の筋はゾンビに襲われるパイクたちと、過去のエピソードでクリンゴンを暗殺してしまったムベンガが、その暗殺したクリンゴンの娘の名誉回復のために決闘に挑むという話が錯綜するかのような展開である。
「スター・トレック」でゾンビの話を演出するとは思いもしなかったので、新鮮味を感じた。もちろん、ゾンビが誕生した理由も「スター・トレック」らしい設定で描かれていて、バテル艦長を救うために必要な植物、キメラ・ブロッサムの影響でゾンビになったという設定は面白みを感じる。
その一方で過去にムベンガが暗殺したクリンゴンの娘がここで登場し、娘が名誉回復のためにムベンガに決闘を申し込むという展開も、「この時点でその話を持ってくるのか」という新鮮な思いに囚われた。
Paramount+の内部で問題が発生しているのではないかと思うが、日本語のサブタイトルが存在していないので、とりあえず原題のサブタイトルを書いている。また、このエピソードは再び2chステレオオンリーの提供なので、物足りない。配信でスター・トレックを流してくれるのは嬉しいのだが、もう少しちゃんと配慮をしてほしいなと思うところはある。
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