ここ数週間、映画ファンとして気になっていたのは、ハリウッドの大手スタジオ、ワーナー・ブラザース・ディスカバリーの身売りの話だった。最初は噂として聞いたのだが、昨日、今日のニュースでは身売りを検討しているのは本当の話、とまで確定していた。
噂の話の時には、パラマウント・ピクチャーズを買収した映画スタジオのスカイダンスが、ワーナーをも買収するという話だったのだが、昨日、今日の話だとそれは拒絶しているとのこと。ただ、スカイダンスによる買収が流れたわけではなく、まだ生きている部分もある。スカイダンスの他は、ユニバーサル・ピクチャーズの親会社、コムキャストやiPhoneで有名なApple、Netflix、Amazonあたりが名乗りを上げているという。
それ以前にワーナーは、映画スタジオとストリーミング配信の部門と、CATVの部門に分割するという話はあるし、日本の法人においては洋画の取り扱いは今年をもってやめると言っている。来年からワーナーの洋画の配給は東方東和が受け持つと聞いている。では、日本法人は何をするのかというと、ビデオの日本配給と、日本オリジナルの邦画の制作、配給はそのまま行うらしい。
2000年代前半ではAOLと組んで世界最大の映画会社とまで言われたワーナー・ブラザース・ディスカバリーが身売りの話になるとは、時代が流れたなと思わざるを得ないが、ここ10年ぐらいで20世紀フォックスはディズニーに買収されて20世紀スタジオと名称を変えて、ディズニーの一部門としてかろうじて生き残っている状況だし、前述のパラマウントも経営が思わしくなかったので、映画スタジオだったスカイダンスが買収することで決着がついている。ワーナーの身売りが成立すると、ハリウッドの映画スタジオは、ディズニー、ユニバーサル、パラマウント、ソニー、Amazon MGM、ライオンズゲートに集約されることになり、映画制作本数も減りそうである。
ハリウッドの映画が好きなので今でもよく見ているが、新作にしろ、過去の貴重な作品にしろ、業界の再編で見られる本数が減っていくのは残念である。リベラルの主張の強いハリウッドが衰退して行くようで、寂しい思いはある。
