10月に「ワーナー・ブラザース・ディスカバリーが身売りを検討している」という記事を書いたことがある。10月の段階では、スカイダンス・パラマウントが先行している印象であったが、その後、Netflixの追い上げが凄くて、今朝のニュースでは、Netflixがワーナー・ブラザース・ディスカバリーの映画・配信部門だけを買収することで合意に達したと報道されていた。総額827億ドルの買収とのことで、業界に激震が走っている。
Netflixとワーナー・ブラザース・ディスカバリーの営業方針は水と油である。Netflixは新作をどんどん作るが劇場公開は基本せず、配信オンリーで公開する。ワーナー・ブラザース・ディスカバリーは劇場公開がメインであり、傘下の配信事業であるHBO Maxはコロナ禍では新作が劇場で上映できなかったので、配信オンリーになったが、基本劇場公開後はHBO Maxで配信する形式になっている。
Netflixはまた、ワーナー・ブラザース・ディスカバリーの映画の配信権をもらって自社プラットフォームで配信もしている。Netflixがワーナー・ブラザース・ディスカバリーの映画・配信事業を買収したので、現在U-NEXTが独占配信権を持っているHBO Maxの日本での配信権もいずれはNetflix側に権利が移るのではないかという気もする。ただ、U-NEXTとHBO Maxの契約がどうなっているのかまでは知らないので、当面は変わりないとは思っている。
Netflixがワーナー・ブラザース・ディスカバリーの映画・配信事業を買収したことで、ワーナー・ブラザース・ディスカバリーが配給する映画の今後がどうなるのかわからない部分もある。それ以前に日本ではワーナー・ブラザース・ディスカバリーの映画は今年公開された「WEAPONS/ウェポンズ」を持って独自の配給は終了し、2026年からは東宝東和が配給を担当することになるので、ワーナー・ブラザース・ディスカバリーの映画が映画館で見ることが徐々に出来なくなっていく気もしないでもない。この辺は時間が経過しないと見えない部分もある。
HBO Maxをホームシアター構築の立場で言わせて貰えば、U-NEXTでの独占配給だとカタログ数は多いのだが、画質がほとんどHD止まりであり、音響も2chステレオ止まりの作品が多いので、不満は大きい。画質がHD止まりなのは許せるとして、音響が5.1chサラウンドですらないのは、文句の一つも言いたくなる。Netflixの買収により、Netflix側でHBO Maxをコントロールしてもらえると、画質、音響がグレードアップするのではないか、という期待はなくもない。
どちらにしてもNetflixが買収したことにより、ハリウッド再編になってしまい、スタジオが減っているので、作品数も減るのではないかという懸念があるので、この先どう転ぶのか、映画ファンとしては気になるところである。

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