あらすじ
U.S.S.ミヤザキの事件で負傷したタリマは回復してきた。そして、タリマは兵学校からアカデミーへ転入することになった。
しかし、タリマを含めてアカデミーの候補生たちは心に傷を負ったままだった。U.S.S.ミヤザキでの事件の影響から逃れられなくなっていたのである。そのことを心配したナーラは、ディスカバリーのクルーでアカデミーの講師を務めていたティリーを呼んでくる。
ティリーは候補生たちに、戯曲を選択させ、その戯曲を彼らに演じさせることで、心にあった傷を癒そうと考えていた。サムは自分が戯曲を選ぶよう探していたが、彼女の体に異変が起きる。プログラムにバグが発生し、機能しなくなったのである。
サムは、ナーラやドクターと共に自分の創り主のもとに戻り、機能の修復をお願いするよう動き出すが、戯曲の主役をタリマに演じてもらうよう依頼する。
ティリーによる戯曲を演じる教育は、なかなか先に進まなかった。特に主役であるタリマは、自分がU.S.S.ミヤザキで起こしたことに後悔の念を持っていたため、戯曲を素直に演じることができなかった。他の候補生たちも戯曲を演じるのには抵抗感があったが、次第に戯曲を受け入れ始め、自分たちが負った心の傷を癒やし始めていた。
創り主のもとに辿り着いたサムとナーラとドクターは、創り主にサムの機能不全を修復してもらうよう依頼するが、創り主はサムの機能不全は治せないと拒否する。サムの機能不全を治すには、ドクターの力が必要だったが、ドクターがヴォイジャーにいた時に作ったホログラムの家族を失ったことで人を愛することに恐怖を感じていて、ドクターはサムを救出するのかを躊躇していた。しかし、葛藤の末にドクターはサムを助けるための行動を実行する。
感想
物語的には、「スター・トレック:ディスカバリー」でレギュラーだったティリーが教官としてストーリーに関与するというのが大きな展開と思っていたが、実際はそうではなく、アカデミーの候補生、特にタリマが負った心の傷をどうやって自分自身で癒やしていくか、というストーリーと、機能不全に陥ったサムを救えるのはホログラムのドクターだけだったのだが、ドクター自身も人を愛することが怖くて躊躇するという、過去の心の傷をどう乗り越えていくかというところをフォーカスした奥深い物語である。
何話か前に描かれたU.S.S.ミヤザキの事件の話がここまで尾を引いているとは思いもしなかったのだが、このエピソードでは、タリマとサムとドクターを中心に、過去の事件による心の傷を自ら乗り越えていく話をじっくりと描いているので、まさしく人間ドラマとして完成度の高いエピソードになっている。
物語中盤では登場人物の葛藤が克明に描かれているので、そこから立ち直っていく様は感動的であるし、それが候補生たちだけでなく、ドクターにも当てはまるところがすごいと思う。まさか「スター・トレック:ヴォイジャー」のエピソードまでここに入れ込んでいくとは予想もしなかった。
シーズン1も残り2話になったが、ようやく登場人物のキャラ設定にも慣れ、面白みが増してきたところなので、Paramount+で見られる残り2話なんとか踏破していきたい。

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