ルーカス・フィルムがディズニーに買収されてから、スター・ウォーズの映画が色々企画に登るようになったが、昨年の「フォースの覚醒」に引き続き、2016年の年末に公開されたのが、この「ローグ・ワン スター・ウォーズ・ストーリー」である。ただし、今回の「ローグ・ワン」は、シリーズとしての映画ではない。最初の「スター・ウォーズ」の冒頭で語られた、反乱軍が帝国軍の最終兵器、デス・スターの設計図を盗み、帝国軍に初の打撃を与えた、という字幕の部分を2時間の映画にしてしまったのである。なので、作品のラストは決まっている。反乱軍が、ダース・ヴェイダーから逃れるところまでがラストに来るのは、分かってしまっている話なのである。それまでの過程で、シリーズの世界観を壊さずに、ストーリーが入念に語られているのがわかる良作である。決して、シリーズには登場しない主人公たちを描き、かつスター・ウォーズの世界を拡張するというのは、なかなか興味深いものがある。また、シリーズと共通するのは、親子の絆ではないかと思う。主人公、ジンとデス・スターの開発者である父との絆が、ジンの行動力の源となっており、スター・ウォーズには欠かせないものになっている。ダース・ヴェイダーが、物語にインパクトを与えているのも、作品の質を高めていると思う。ファンサービスで、あのドロイドたちも一瞬登場し、楽しみを与えている。ラストは、第一作に繋がるため、唐突感のある終わり方をするのだが、その置いてきぼり感は、また、たまらないものになっている。
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