ロバート・グラッツァー著「映画を<自分の言葉>で語るためのシネマ頭脳」フィルムアート社

アメリカの映画評論家で脚本家でもあるロバート・グラッツァーが、映画批評をするための映画の見方を指南する内容の本。なのだが、この本、作者の好みが妙に偏っていて、クエンティン・タランティーノをべた褒めする割には、世間で名作と呼ばれる「サウンド・オブ・ミュージック」をけなしまくるとか、結構変である。で、内容的にもちょっと読みづらいところがあり、かなり昔に買って(しかもB級放出品として)放置していたものを読み返したのだが、やっぱり読みづらく、途中何回も挫折しながらなんとか読破した代物である。グラッツァーが書く映画の世代が、意図的に偏っていて、僕の好みの映画とはちょっとジャンル的にも年代的にも離れているのも、その例かもしれない。ただ、この本のいいところは、最後に「自分の言葉で語る」ための映画の鑑賞後の整理の仕方がまとまっていて、それが映画批評の仕方としてポイントが高いところにある。現在容易に手に入る本ではないし、映画好きが必ずしも読むべき本でもないが、読むとこの人の映画の見方は分かるかと思う。

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