監修・写真=岡本尚文、文=たまきまさみ「沖縄島料理 食と暮らしの記録と記憶」TWO VIRGINS

以前にも「沖縄島探訪」シリーズとして「沖縄島建築」と「リメンバリング オキナワ」を読書し、感想を書いている。最初に「リメンバリング オキナワ」を読んでからリリースを遡る形で「沖縄島建築」を読み、最後に残ったのが、「沖縄島探訪」シリーズの第二弾に当たる「沖縄島料理 食と暮らしの記録と記憶」である。「リメンバリング オキナワ」も「沖縄島建築」もネット書店で買ったのだが、この「沖縄島料理」は、蔦屋書店の実店舗で購入している。

本の形式は「沖縄島建築」と同じなので、読みやすい。「リメンバリング オキナワ」は形式が大幅に異なっていて、内容も異なっているが、それが功を奏したのか売れているという話はTwitterでは聞いている。「沖縄島料理」は当然沖縄本島で開店している食堂やレストランをターゲットにして、そこで出される料理や店主の思い等を写真をふんだんに使い、沖縄ならではの料理を紹介し、その料理が成立していく歴史の重みを語っている内容で、料理は琉球料理もあれば、アメリカ統治下で発生したステーキハウスや、コーヒーショップ、中華料理店までバラエティに富んでいる。そして、その料理にかける主人の思いがその料理への好奇心をより掻き立てられるようになっている。

僕も沖縄病にかかっているので、「沖縄島料理」の内容は興味を持って読んでいたが、沖縄本島だけで見ても、まだまだ食べていない美味しそうな食堂やレストラン、コーヒーショップがあるのだな、次に沖縄本島に旅行行く時にはこの本で紹介されている店のいくつかは行ってみたいな、とは思いを馳せている。

紹介されている店は有名店もあるし、知らない店もあるのだが、監修と写真を担当した岡本尚文さんの料理に対する思いが読者に料理に対する関心を高める仕掛けがあって、どの料理店の料理も美味しそう、食べたい、と思わせるものを持っている。

当然どの店も歴史を重ねているので、それが実際の沖縄の経てきた歴史そのものに通じるものになっており、食文化も歴史の一つであるという事実に改めて頭の下がる思いである。

こうして、「リメンバリング オキナワ」からはじまった「沖縄島探訪」シリーズもこれで読破し終わり、一応完結した。あとは、いつになるかはわからないが、もし沖縄本島にまた旅行に行く時があれば、シリーズの本の中からいくつかの建築物を見学に行き、料理店に行って料理を食べ、歴史の変容を目の当たりにしてみたいと思う。

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