ハーラン・エリスン著「世界の中心で愛を叫んだけもの」ハヤカワ文庫SF

SF界の鬼才ハーラン・エリスンの短編集が「世界の中心で愛を叫んだけもの」である。元々ハーラン・エリスンと僕との出会いは「スター・トレック:宇宙大作戦」の1エピソード「危険な過去への旅」を観たことに始まる。スター・トレックファンの間でも評価の高いこのエピソードは、確かにSFマインドに溢れていた。それがきっかけでこの短編集を読んだ訳だが、表題作の「世界の中心で愛を叫んだけもの」は全く理解の出来ないSF小説だった。いくつかのエピソードが複合してそれらがハーモニーを奏でるように描かれているのだが、ストーリーがあるようでない展開なので、理解出来ないのである。しかしながら、他の短編は、いかにもSF的世界をうまく表現していて、読みやすく、SFマインドを刺激させるものがある。どこかこれらの短編集ではディストピア的世界が広がっているように思えるが、それもエリスンの考える世界観なのだろうと思う。期待は裏切らない出来になっているので、新世紀エヴァンゲリオンTVシリーズ最終回「世界の中心でアイを叫んだけもの」から「どういう意味でこのタイトルを付けたのだろう?」と気になっている向きには一読をお勧めしたい。

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