日本三大奇書に挙げられる夢野久作の問題作。ストーリーとしては探偵物になるのだが、テーマが精神世界の話になっているから一筋縄ではいかない。物語は主人公である私が目覚めるところから始まる。しかし私には記憶がなかったという序盤から、途中の精神科医の様々な論文を経て、精神科医の告白にいたって物語が解決するかと思いきや、実は読む人によってどうとでも解釈できるような落ちになっているという中々複雑な内容である。青空文庫だからずっと続きになっているが、実は文庫版では2分冊になっているらしい。しかし、読めば読むほど物語に取り込まれること請け合いの内容である。著作権消失により青空文庫でただで読めるが、実は2ちゃんねるの「青空文庫で一番面白い本は?」というスレッドでも一番人気を誇る作品でもある。読書好きなら一度は読んでおいて損のない作品である。実は何回か読み返さないと内容は理解出来ないらしい。またもう一度最初から読み直すかと思ったりする。それほどまでに強烈な内容である。
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