「戦場のメリークリスマス 影の獄にて A Bar of Shadow 映画版」

昨晩、「戦場のメリークリスマス 影の獄にて A Bar of Shadow 映画版」新思索社刊を読書完了した。タイトルに示すとおり1983年の大島渚監督の「戦場のメリークリスマス」の原作本である。物語は3部構成になっていて、1部が「影さす牢格子」、2部が「種子と蒔く者」、3部が「剣と人形」となっている。1部はイギリス人将校ロレンスと日本人軍人ハラの奇妙な友情についての物語、2部はセリエとその弟の関係と裏切り、ヨノイとの関係についての物語、3部はロレンスが戦場でであった女性とのロマンスとなっている。映画はこのうち1部と2部をまとめて一つの物語に再構築したものになっていて、原作小説のほうが、分かれている分、理解しやすいものになっている。しかし、映画も要領よくまとめていて、相互に補完すると、より理解できるものになるだろう。原作者であるロレンス・ヴァン・デル・ポストの実体験に基づきかかれたものということで、意外と日本人のことについて詳細に書かれていると思う。個人的には2部のセリエと弟の関係が深く描かれていて、映画では分からなかった愛憎関係が理解できたのはよかったと思う。興味のある方はぜひ。

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