映画「ゴースト/ニューヨークの幻」(Apple TV 4K/iTunes Movies/4K UHD)

レビューの詳細は、ゴースト/ニューヨークの幻(4K UHD/iTunes Movies)/Apple TVで観た映画のレビューを参照のこと。1990年に公開されたこの映画には、ちょっとした思い出がある。大学生だった僕は、1990年の夏にカナダのバンクーバーに1ヶ月ショート・ステイしていた経験があるのだが、その時に劇場公開していたのが、この「ゴースト/ニューヨークの幻」だったのである。しかし、僕は当時この映画に関心はあったもののバンクーバーの劇場で見ることはなく、その後も「純粋なラブロマンス映画である」という日本での公開時の触れ込みから、敬遠してしまっていたのである。僕が映画をディスクメディアで見るようになったのは1992年ごろだったが、レーザーディスク、DVD、Blu-rayとメディアが変わっても、この映画に手を出すことはしなかった。ただ、最近、iTunes Moviesでバーゲンセールで713円でこの映画の4K/DOLBY VISION版が配信されているのを知り、1990年から気になっていたこの作品を購入して、見てみる気になったのが、今日の鑑賞につながっている。で、見た感想だが、確かにラブロマンス映画として出来はいいとは思うが、それだけではなく、ゴースト映画としてもきちんと成立しているし、コメディ映画としても成立していて、思っていたよりもラブロマンス一辺倒な作品ではなかったので、結構作品にハマって鑑賞できたのではないかと思う。確かに主人公サムとモリーの一途な愛情にはブレがなく、優れたラブロマンス映画であるとは思うが、それに加えてゴーストストーリーとしての成立も優れていて、最初は何もできなかったゴーストとしてのサムが最後には色々活躍するところは、成長物として見ることができる。そして、ウーピー・ゴールドバーグ扮するオダ・メイというインチキ霊媒師の存在が物語を結構明るいものにしていて、笑いを誘うものになっているところは流石である。アメリカではすでに人気俳優として「新スター・トレック:ザ・ネクスト・ジェネレーション」にガイナン役で出演していたウーピー・ゴールドバーグであるが、この「ゴースト/ニューヨークの幻」の演技が認められ、1990年のアカデミー賞で助演女優賞を受賞するというのだから、彼女の存在は大きいと思う。ちなみにこの映画の脚本自体も1990年のアカデミー賞の脚本賞を受賞しているので、作品の出来は悪くない。映像は4K/DOLBY VISIONで収録されているのだが、4K UHD Blu-rayでリリースされていないせいか、35mmフィルムからの4Kスキャンを行なっているようで、ネイティヴ4Kでありながら、解像度は甘い。いかにも35mmフィルムを映画館で見ている、という画像になっている。音響はDOLBY DIGITAL 5.1chでの収録だが、予想外に三次元サラウンド効果を発揮している。音が空間に広がり、環境音が自分の周囲を取り囲む様子がありありと再現されているので、結構魅力的なサラウンドである。

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