レビューの詳細は、ザ・メニュー(4K UHD/Disney+)/Apple TVで観た映画のレビューを参照のこと。この映画は、日本でも劇場公開されていて、気にはなっていたのだが、劇場で見ることはなかった。しかし、1月11日からDisney+で定額見放題配信を開始したので、関心があったので鑑賞をした次第である。
作品は、超人気店のため、予約が取れないレストランから招待されたタイラーとマーゴのカップルが、朝人気店の超一流シェフ、スローヴィクの生み出す数々のコース料理を目にするが、スローヴィクの生み出す料理に舌鼓を打つタイラーに対して、違和感を感じるマーゴは手をつけなかった。そして、次第にコース料理は狂気の淵に陥っていくという話である。
物語としてはブラックコメディー&ホラー的要素を持った映画というべきであり、スローヴィクの生み出す数々の美しいコース料理の視覚による美しさと、それを生み出すために犠牲にしたものを対比させて、狂気のコース料理として徐々に進行していく様を描いている。その犠牲になったものに対して、客たちは動揺するのだがレストランから出ていくことができず、コース料理の最後まで付き合わされるというブラックな笑いが待ち受けている。
唯一マーゴだけが実はスローヴィクから招待されておらず、彼女の立ち位置が物語の行方を左右するのだが、前半ではあまり大きな存在にはなっておらず、中盤から徐々にマーゴの主人公としての立ち位置が明確化していくので、やられたな、という感じでいっぱいである。特にクライマックスのマーゴがスローヴィクに要求する料理が想定外で、マーゴの運命を左右するので、この展開には呆気に取られる。
映像は4K/DOLBY VISIONで提供されている。実はディスクメディアではBlu-rayでしかリリースされないので、4K UHDの解像度とDOLBY VISIONのHDR効果を最大限発揮できる媒体は配信オンリーになっている。Disney+とiTunes Moviesだけが4K UHD配信なので、高画質で見たい人には、どちらかを契約してみるしかないと思う。4K/DOLBY VISIONによるコース料理の美しさは格別で、食欲に訴えかけるものがある。
音響はDOLBY ATMOSで収録されていて、レストランが舞台なのでサラウンド効果があまりないかと思いきや、意外なところでサラウンド効果を発揮していて、臨場感満点である。
傑作というほどではないかもしれないが、少なくとも佳作の部類に入る映画だとは思うので、見てみるのもいいかもしれない。
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