先日、佐野元春 名盤ライブ「Sweet 16」THE DVDを視聴して、その感想を書いたが、その後、「THE BOOK」の方にも手を出してしまったために、途中で放り出すわけにもいかず、徐々にページを捲り、今日、ようやく完読した。
THE DVDの方も貴重な証言や映像、音源が満載だったのだが、THE BOOKの方の情報量の方がより多かった。THE BOOKの方が「Sweet 16」の制作裏話をメインにしたドキュメント本であり、THE DVDはそれを保管するもの、という印象が強い。
当時の貴重な宣伝素材の収録や、佐野元春に対するインタビュー、坂本達也に対するインタビュー、THE HEARTLANDのメンバーに対するインタビューなど読み応えあるが、今の佐野元春へのインタビューが、当時の状況について、結構プライベートなことについてまで明らかにしているのに対し、1992年当時の音楽雑誌でのインタビュー再録では、当時佐野元春が活動休止していた理由をぼかしているのは、かなり印象深い。佐野元春はプライベートなことをまず話さないアーティストとして有名だが、1992年当時のインタビューでもそれが貫かれていて、佐野元春らしいなと思ったりする。それが今は過去のプライベートなことについては話すようになったのだから、成熟したなという印象を受ける。
本の作りはしっかりしていて、アルバム「Sweet 16」の制作秘話については、「そうだったのか」と感心することしきりである。「ミスター・アウトサイド」の完全版についての話とか、「廃墟の街」のトラブルから生まれた演奏とか、THE DVDでも語られているが、本で読むとまた違った味わいはある。
そして、マルチテープの状態紹介とか、宣伝素材紹介なども興味深い。当時のレコード会社がどう佐野元春をプロモートして行こうとしていたかが見えてきて、面白い。TV初出演の裏話など、感心する。
このTHE BOOKとTHE DVDの読破と鑑賞を持って、名盤ライブ「Sweet 16」は完結したわけであるが、次の日曜日にインターネット配信で名盤ライブ「Sweet 16」の収録配信が待っているので、それを楽しみに待ちたい。まだ、このTHE BOOKとTHE DVDのセット付きで配信ライブの映像視聴券は売っていると思うので。
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