映画「オッペンハイマー」(輸入盤4K UHD Blu-ray)

レビューの詳細は、OPPENHEIMER(4K UHD Blu-ray)|オッペンハイマー|輸入盤DVDで観た映画のレビューを参照のこと。

数日前に映画配給会社のビターズ・エンドが「2024年に劇場公開する」とアナウンスしている「オッペンハイマー」だが、2024年のいつ公開なのかがまだ未定なのと、配給会社のビターズ・エンドが大きくはない配給会社なので、IMAXフィルムで撮影、上映が売りのこの作品が日本でIMAXシアターで上映されるのかがわからない、という点から、IMAXシアターのイメージで鑑賞できる輸入盤4K UHD Blu-rayで先に鑑賞した次第。2024年にIMAXシアターで上映されるならば、劇場に2回目の鑑賞をしに行ってもいいと判断しての鑑賞である。

この輸入盤4K UHD Blu-rayも売れ行きが好調で、アメリカでは小売店での在庫が切れており、販売元のユニバーサル・ピクチャーズ・ホーム・エンターテインメントは急遽再プレスを発注して受注に応えているという状況なので、この時期に手に入ったのは幸運である。

前述のようにこの4K UHD Blu-rayはIMAXフィルムで撮影したシーンは4Kテレビの画面いっぱいに映像が広がり、IMAXシアターで見ているかのような感覚でホームシアターで映画を見られるので、日本未公開の作品を早く見るには輸入盤で見るのが手っ取り早い。ただし、日本語字幕も吹替音声もないので英語理解力は必要になる。

日本でまだ劇場公開していないのは、色々な理由がある。作品が原爆開発を主軸にしているために、世界で唯一の被爆国である日本では、作品を見ていない人が作品を批判するという問題がある。そして、アメリカで同日に公開されて大ヒットを記録した「バービー」とのコラボ企画「バーベンハイマー」で原爆を軽々しく扱ったイラストがSNSで溢れ、よりによって「バービー」の公式SNSがそれを称賛したために日本で批判が集まってしまったという問題もある。

「オッペンハイマー」をちゃんと鑑賞して、それでも批判するならばそれは批判する人の権利はあると思うし、そういう見方をする人なのか、という判断もするが、作品を見もしないで批判していて、そのために作品にちゃんと向き合いたいという人の権利が侵害されているのには納得いかないところがあった。そういう意味ではいつ公開か決まってはいないが、「2024年劇場公開決定」とアナウンスが出たことには意義はあると思うし、本当に見たい人は日本語字幕や吹き替えがなくても輸入盤4K UHD Blu-rayを買って見るだろうから、状況的には悪くはないと思う。

輸入盤4K UHD Blu-rayで鑑賞した感想としてはリンク先に詳しく書いたが、決して原爆賛美の映画ではない。むしろ原爆を開発したことで世界が破滅に向かうのでは、と危惧する主人公オッペンハイマーの苦悩が描かれた反核内容の映画である。映画自体が時系列にはなっておらず、オッペンハイマーの苦悩が最初から描かれているので、反核要素は強く感じた。

もちろん、鑑賞する人の感性によって違う意見もあるだろうからあくまで僕の意見に過ぎないが、僕はこの映画はちゃんと核兵器の恐怖を描いていると認識した。み終わった後の印象は痛烈である。3時間1分という長尺だが、全く飽きさせることがない。

映像は前述の通りIMAXフィルムで撮影されたシーンは4Kテレビのフルスクリーンで描写されるので、IMAXシアターを彷彿とさせる映像が目の前に広がる。4Kならではの解像度が映像を立体的に感じさせ、没入感を得られるようになっている。

音響もdts-HD MA 5.1chと5.1ch止まりのサラウンドなのだが、とにかく重低音の響きが凄まじい。近所迷惑になりかねない音量で重低音が入っていて、原子爆弾の爆発シーンや核分裂のイメージ音で大活躍する。

いつになるかはわからないが、劇場公開され、IMAXシアターで上映された暁には、劇場に観に行きたいと思わせる作品である。

コメント

タイトルとURLをコピーしました