2025年のアカデミー賞で「Black Box Diaries」が受賞を逃し、多少気が緩む

今朝、2025年のアカデミー賞授賞式が行われた。例年であればWOWOWが独占中継していたが、今年はNHKがBSで生中継することとなった。WOWOWの経営が厳しく、予算が確保できなかったのかもしれない。しかし、今の自宅ではBSが視聴できず、さらにテレビのあるリビングと仕事場が別の部屋にあるため、仕事をしながら横目で見ることもできない。結局、例年通りネットの速報で結果を知ることになった。

今年は、インディペンデント映画の『ANORA アノーラ』が主要部門を受賞したのが印象的だった。また、『ブルータリスト』も健闘していたように思う。

そんな中、日本映画としてノミネートされ話題になっていた伊藤詩織氏の『Black Box Diaries』は受賞を逃した。もともと洋画しか見ないため、日本のドキュメンタリー映画にはあまり関心がないのだが、この作品については別の意味で注目していた。

それは、本作が伊藤詩織氏自身が過去に受けた暴行について追及するドキュメンタリーでありながら、使用が許可されていない映像や音声を、その持ち主に無断で映画の核として使用しているという事実があるからだ。

伊藤詩織氏が受けた暴行については同情するし、日本の性暴力に対する司法の対応の悪さは世界的に見ても恥ずべきものだと思う。しかし、だからといって、自身のドキュメンタリーに、本来使用を禁じられていた映像を無断で用いることが許されるのかという疑問が拭えない。

日本では公開の目処すら立たず、まず海外で評価を得てから国内に圧力をかけようとする意図が見えるが、その海外の観客は、本作に無許可の映像が使われているという事実を知らないはずだ。それを知った上で評価するのであれば納得できるが、現状では疑問が残る。

日本では未公開のため、僕自身この作品を見ていない。また、ここまで日本国内で問題視されている状況では、仮に鑑賞したとしてもバイアスなしに評価するのは難しい。そのため、日本で公開されたとしても観る気にはなれないような気がする。

本人の性格にもよるのだろうが、東京新聞の望月衣塑子記者を名誉毀損で訴えるなど、敵を作り続けているように見える人物でもある。この映画の件に関しても、アカデミー賞を受賞しなかったことで、かえって良かったのではないかとも思う。

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