藤井誠二著「沖縄で「沖縄」を考える日乗 「内地」との二拠点生活日記 4」論創社

ノンフィクションライターの藤井誠二さんの沖縄での生活や仕事を綴った「二拠点生活日記」シリーズもついに第4弾である。今回は、作品の多くを新里堅進さんとのコラボで書き綴った凶器の本、「ソウル・サーチン」制作の過程を包み隠さず描いているのが特徴である。

「ソウル・サーチン」は去年入手して読んでいるが、沖縄県民ですらあまり知らない新里堅進さんの漫画を可能な限り掲載し、新里堅進さんとはどういう人なのかを藤井さんが追求していった大作だったので、読み応えがあったし、その作風にも面白さを感じていたのだが、この本ではその「ソウル・サーチン」ができていく過程を記しているので、興味深いものになっている。

沖縄に滞在している時の日記ではあるが、沖縄とは関係なく、犯罪被害者と犯罪加害者との関係や、贖罪について問いかける部分がかなり多く、考えさせられるものがあった。犯罪加害者が刑務所で大人しく服役していれば、犯罪に対して贖罪をしていると思いがちであるが、犯罪被害者からすると全く贖罪になっていないという説明は、現在の法律の問題点を浮き彫りにしていると思う。

沖縄滞在中の藤井さんは夜によく知人たちと飲み食いする場面の記述が目立つが、これも沖縄ならではの濃い人付き合いの関係とも言えるだろう。東京あたりだとここまで濃い人付き合いはしないし、しようとすれば嫌悪されると思う。毎晩のようにお馴染みのメンツが揃って藤井さんと飲食をしているので、読んでいる僕もだんだん親近感が湧いてくる。

夜は居酒屋などで飲食する藤井さんだが、起きた後の食事がソーメンばかりというパターンが多く、その辺は適当というか、こだわっていない部分を感じさせる。いや、ある意味ソーメンにこだわっているとも言える。食事がソーメンばかりなのは、大量にソーメンを買ってしまったからということなのだが、簡単に調理できるソーメンは楽なのだろうと思う。

沖縄病にかかっている僕からすると、この本は大変面白いものになっていると思うし、東京と沖縄の二拠点生活ができている藤井さんが羨ましくもある。過去の本で東京の住まいも沖縄の住まいも格安で手に入れているので、ノンフィクションライターだから儲かっていてニ拠点生活できているわけではない、という話を書かれていたこともあり、よく格安物件を見つけられたなと思うことしきりである。僕なんか横浜の住まいはローンを組んでなんとかなので、沖縄との二拠点は絶対無理。沖縄の物件も結構高いのが多いし。この本の続編がまだ続くのかわからないが、次が出たら、当然買って読むと思う。

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