映画化されたことでも話題になったのが、スウェーデン産のミステリ小説「ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女」。かなり分量のある小説で、この上巻では物語の主人公になるミレニアム誌の編集者ミカエルと、一風変わった女・リスベットの話が平行にして描かれている。当然ながらこの二人が何処かで交差して、物語は急展開を起こすと思うのだが、上巻ではそれぞれ身の上話に終始していて、なかなか物語は進んで行かない。前半でじっくりと登場人物の相関関係を描いて、後半でストーリーを展開させていくというように感じる。この上巻では、記事の裏付け証拠を出せなかったために、ある実業家から裁判で負けて刑務所に入る予定のミカエルが、ヘンリック・ヴァンケルという別の実業家から一族にまつわる謎を解明して欲しいという依頼を受けて、それを承諾するというストーリーが主、リスベットという女性がミカエルのことなどを調査しつつも、自身の対人関係の問題からトラブルに巻き込まれるというのが副、という展開になっている。後半どうなるのかは興味深い。
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