下川裕治編「本社はわかってくれない 東南アジア駐在員はつらいよ」講談社現代新書

東南アジアに進出する日本企業。そこには、日本と違う独特の文化があり、その日本との差に驚かされることがしばしばある。この「本社はわかってくれない 東南アジア駐在員はつらいよ」は、そうした東南アジアに進出した日本人社員が、唖然とするような東南アジアの風習に振り回される様を様々と描いているのが特徴である。新興国として発展著しい東南アジアの国々であるが、やはりそこは新興国。それらの国々の風習はかなり異なる。その差を現地駐在員が目の当たりにしたり、実際に体験したりして、戸惑い、困っていく様子がユーモラスに描かれている。確かにこの内容は本社には報告できない内容であることが多い。しかし、それが東南アジアの風習だと思えば、納得もできる。困るのは現地駐在員であるが、その困難を乗り越えたり、乗り越えられなかったり、と様々な状況にある様子が章立てで描かれ、興味深い内容になっている。各国の文章はその国に住んでいる日本人が執筆をまとめ、下川裕治が編集担当を行っているのが特徴である。東南アジアに詳しい下川裕治だからこそまとめられる内容だと思う。

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