あらすじ
エンタープライズは地球に戻った。タッカーは新しい宇宙船、コロンビアに異動になった。そしてコロンビアを出航させるための準備をする。地球でディナーを食べていたフロックスとホシは、何者かに襲われ、フロックスが誘拐されてしまう。調査を始めたアーチャーらは、ライジェル人がフロックスを誘拐したことを突き止めるが、ライジェル人の船を探していたところ、何者かに破壊されているところを発見する。リードは、ある組織への忠誠心から、アーチャーに事実の報告をせず、嘘を言い、アーチャーから職を解かれてしまう。そして、クリンゴン船がエンタープライズに攻撃を仕掛け、何名かのクリンゴン人が潜入し、エンタープライズのシステムを書き換える。捕らえた一人のクリンゴン人は、地球人のような姿をしていた。フロックスの誘拐を指示したのはクリンゴン人で、彼らは遺伝子の突然変異による病原体の蔓延を抑えるため、フロックスを必要としていた。クリンゴンは、優生人類の遺伝子を入手し、それをクリンゴン人に打ったところ、額の隆起がなくなり、地球人のようでかつ、体力のあるクリンゴン人になっていた。しかし、その後、ウイルスと融合し、病原体になってクリンゴンを襲ったのだった。フロックスは事実を知って、驚愕する。
感想
クリンゴンを中心としたエピソードだが、結構いろんなサブエピソードが満載で、複雑な展開になっている。しかし、中心は郵政人類の遺伝子を持ったクリンゴンの登場と、その後の危機であろう。1960年代の「宇宙大作戦」でただの髭を生やしたおじさんだったクリンゴンと、1979年の「スター・トレック」以降の特殊メイクで作ったクリンゴンは、これまで単に予算とメイク技術の差によるもので、視聴者的には無視すべき違いだったのだが、それをドラマとして、成立させてしまうのは、かなり愉快な話である。もう一つ気になるのは、リードが忠誠を誓う謎の組織の存在である。アーチャーにすら隠すその存在は、「DS9」のセクション31に相当するものなのか、こちらも気になる設定である。
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