映画「アリータ:バトル・エンジェル」(IMAX 3D/ユナイテッド・シネマ キャナルシティ13)

木城ゆきとの漫画「銃夢」を「アバター」、「タイタニック」のジェームズ・キャメロンが製作総指揮と脚本を担当し、ロバート・ロドリゲスが監督を務めたのが、この「アリータ:バトル・エンジェル」である。原作の漫画は未読なので、どこまで原作の雰囲気が出ているのかは、よくわからないが、「アイアン・シティ」と呼ばれる地上の廃退感は、映画全編を貫く要素になっていると思う。「アイアン・シティ」のゴミ捨て場でイドが見つけた少女の頭に体をつけて、その少女にアリータと名付けたことから始まる物語は、アリータの自己探しを中心に、迫力あるバトルシーンで構成されている。ただ、アリータの過去が断片的な描き方をしているので、物語の解釈に混乱をする要素にもなっている。「アイアン・シティ」と天空に浮かぶ「ザレム」の間に戦争があったことは触れられているが、その辺の描写は曖昧で物足りなさを感じる点でもある。アリータが、CGで描かれているので、感情移入しづらいのも、物語の弱点かな、と思う。映画はIMAX用にアスペクト比が1.9:1のスペシャルフォーマットなので、通常より画像が大きく、迫力が増していると思う。音響も5.1chのサラウンドであるが、重低音が鳴り響き、空間表現力が抜群で、臨場感のあるサウンドになっている。日本の漫画のハリウッド映画化の作品の中では、及第点を上げられるのではないかと思われる。

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