スター・トレック:ストレンジ・ニュー・ワールド シーズン3第9話「テラリウム」(Paramount+/Amazon Prime Video)

あらすじ

エンタープライズは新たな重力の歪みを発見した。その重力の歪みを調査するため、オルテガスはシャトルに乗り込み、重力の歪みに接近する。

しかし、その重力の歪みの中に突如ワームホールが出現する。シャトルの安全を確保するため、オルテガスはワームホールの中に入っていく。エンタープライズとシャトルとの交信は途絶えてしまった。

ワームホールの向こう側に出たシャトルは無数にある惑星の一つに不時着する。オルテガスは、サバイブしようとするが、非常用の水も食料もワームホールを抜けた際の影響でダメになっていた。オルテガスはシャトルの部品で水の生成機を作り出し、なんとか水の確保だけはできた。

次に食料の確保のため、シャトルを出たオルテガスは、惑星にゴーンがいることに気づく。そのゴーンは負傷していたのだが、惑星にいる生命体からオルテガスを守ってくれた。そのため、オルテガスは負傷したゴーンの手当てをして、コミュニケーターを改造してゴーンと意思疎通を図ろうと目論む。

エンタープライズのウフーラは、なんとかしてオルテガスを探すためのシミュレーションを繰り返していた。その結果、可能性は低いが、エンタープライズごとワームホールに入れば、オルテガスを探せる、という結論に達した。ウフーラは、確率を誤魔化してパイクにオルテガス救助の手立てを進言する。そして、パイクもその提案に乗った。

ゴーンと共にいたオルテガスは、ゴーンが持っていた通信機を改造してエンタープライズと連絡を取ろうと考えていた。二人のいる惑星の空にはなぜか光が輝いていて、何か見守っている様子だった。オルテガスはピンチに陥りながらもゴーンとの関係を良好にして、エンタープライズへの連絡を取ろうと試みる。

感想

シーズン3の序盤でゴーンに痛めつけられ、ゴーンの影を背負ったままのオルテガスが主人公になり、なんとワームホールの向こう側の誰もいない惑星で負傷したゴーンと良好な関係を築き上げる、という逆転の発想の物語が、この「テラリウム」である。

「スター・トレック:ストレンジ・ニュー・ワールド」では、連邦最大の敵はゴーンになっているのだが、そのゴーンとですら和解できるかも、という希望を持った展開になっているのが、本エピソードの特徴であり、スター・トレック全般で共通しているテーマでもある。

しかし、ゴーンとの和解をセッティングしたのは、ラストに登場するメトロン人であり、神の様な存在のメトロン人が連邦とゴーンの和解ができるのかをテストしていたという展開は、他のシリーズでも人類を超越した神の様な存在の異星人が人類をテストするという展開をここにきて持ってくるところに驚きがある。メトロン人は過去のシリーズで登場した様な気もするが、あまり記憶が定かではない。登場していないかもしれない。

もう一つのこのエピソードの特徴はオルテガスの生存本能が垣間見えるところである。連邦の士官はどうやっても生き延びることに全力を傾けるが、このエピソードのオルテガスも宿敵であるはずのゴーンと和解してでも生き延びようと全力を尽くしている。その辺の描写が面白い。

そして、ウフーラが交信の途絶えたオルテガスを救うためにシミュレーションを繰り返したりするところに、仲間意識の表れが見えてくる。オルテガス救助の確率が低いのに、確率を偽ってパイクに進言するところは、ウフーラの思いやりの強さを表している。

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