EXOFIELD THEATERとAirPods ProによるDOLBY ATMOS再生の比較

iOS 16のリリースにより、iPhoneやApple TV 4KでAirPods Proを使ったときに、「パーソナライズされた空間オーディオ」という機能が使えるようになった。これは、個々人の顔や耳の形に合わせて空間オーディオの効果を最大限発揮する、というものであるが、設定が終わったときに、DOLBY ATMOSをヘッドフォンで再生できるVictorのEXOFIELD THEATERとAirPods Proで再生比較をした時に差がどう出るのかが気になった。それで、Apple TV 4Kでテストしてみた。

テストに使ったのはMr.MCというNASに入っている動画を再生できるアプリであり、NASに記録してあるDOLBY研究所が提供しているDOLBY ATMOSのトレイラー「leaf」と「Natures Fury」をテストに使ってみた。

まず、EXOFIELD THEATERでトレイラーを再生すると、自分の周囲に音が広がり、3次元サラウンドが空間に定位し、頭上にも音が広がるので、今まで体験してきた音場感が再現されているのを実感できた。「Natures Fury」では、球状のオブジェクトが自分の周囲をぐるぐる回るのが実感できた。EXOFIELDという頭外定位機能を活用した再生は、空間の広がりを実感できる。

続けてAirPods Proで「パーソナライズされた空間オーディオ」のセッティングをした状態で、同じトレイラーを再生すると、EXOFIELD THEATERに比べ、音場感は小さくなるように感じる。ただ、3次元サラウンドの音の定位感はキチンとしており、オブジェクトの移動感も十分に発揮されるので、EXOFIELD THEATERの音を知らない人には、これでも十分に感じるかもしれない。「Natures Fury」の球状のオブジェクトがぐるぐる回る演出も、当然ながら自分の頭の中でぐるぐる回っているのが実感できた。

EXOFIELD THEATERとAirPods Proではドライバーのサイズや耳に装着する感触もかなり違い、音圧や高域、低域の出力も違うので、その影響も効果に出てきていると思う。AirPods Maxだと、また印象は多少変わるかもしれない。ただ、僕個人の環境では、今の所EXOFIELD THEATERでのDOLBY ATMOS鑑賞の方が理想的かなと思う。

AirPods Proと「パーソナライズされた空間オーディオ」の効果でも十分DOLBY ATMOSの映画や音楽を楽しめることはわかったが、残念なことにこの機能はAppleのデバイスに限定されるので、Apple TV 4Kで映画や音楽を楽しむだけならばAirPods Proでもいいかもしれないが、4K UHD Blu-rayのDOLBY ATMOSやdts:Xをも楽しもうとすると、現状EXOFIELD THEATERしかヘッドフォンで楽しめないので、僕的には今後もEXOFIELD THEATERで映画鑑賞を続ける予定である。

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