僕の親のうち、母が認知症を患っているようである。父は健在なのだが、母の資産が凍結されるかも、という相談を受けて、まずネットで母の資産管理方法について調べたところ、突き当たったのが「家族信託」という方法だった。
母の認知症が銀行や証券会社に知られると、口座凍結になり、母の資産を使っての生活費引き出し等にかなり不便を強いられる。口座凍結された時には成年後見人を指定するしかないのだが、この制度は母の親族が成年後継人になれるわけではないところから、毎月成年後見人に管理費を支払う必要が出てくるなど、問題も大きい。
そのため、母の親族である僕や弟が母の資産を管理できる家族信託を適用するのがいいかなと思っていたのだが、ネット上での情報ではわからない部分もあった。今回、書籍でも司法書士の方々が書いた「家族信託」についての解説や事例をあげた本をネット書店で見つけたので、購入し、読書してみた次第である。
法律の専門家がわかりやすく本を書いているのもあって、読破すると家族信託のメリットやどのような場合に適しているかがよくわかるようになっている。第一章は「家族信託とは何か」という説明であり、第二章以降が事例紹介である。第二章以降は自分の状態に近い事例だけ読めばいいので、全ての事例を読む必要もなく、事例がわかりやすく書いてあるので、理解もしやすい。特にネットに詳しくない自分の父あたりに勧めたい本だなと思った。
母に「家族信託」を説明するのにもいいかとは思うが、母の認知症の状態自体がどこまで進んでいるのか、「家族信託」を有効な状態で締結できるのかは現時点で不明なので、近日中に実家に戻って、家族会議でその辺は打ち合わせしたいと思う。ただ、この本を読んだことでイメージしやすくなったのは事実であり、認知症を発病する前の手続き事例本としては、いい本ではないかと思う。
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