映画「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」(Apple TV 4K/Netflix/DOLBY VISION)

レビューの詳細は、スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム(DOLBY VISION/Netflix)|Apple TVで観た映画のレビューを参照のこと。

リンク先でも書いたが、Netflixでの映画、ドラマ配信はNetflixオリジナル映画、ドラマは4K/DOLBY VISION/DOLBY ATMOSで配信されるが、映画会社からの提供される作品について言えば、HD/5.1chで配信されていることがほんんどだったため、Netflixオリジナル映画、ドラマ以外でNetflixで映画やドラマを見るというのにはあまり触手は動かなかった。ただここ半年から1年、時々Netflixのカタログを見ていると、HD/DOLBY ATMOSの仕様とか、4K UltraHD/5.1chの仕様で配信される作品も徐々にだが増えてきている。

「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」で言えば4K/DOLBY VISION/DOLBY ATMOSの仕様で配信されていて、少し前から気になっていたのだが、今週の金曜に地上波テレビで放送されるという情報を得たので、テレビ放映前にNetflixで見てしまえ、と思ったのが今日見た理由である。

この作品は輸入盤4K UHD Blu-rayを持っていて、そちらで見る手段もあったのだが、上映時間が長いのと、やはり英語字幕しかないのは気分的にしんどいと思っていたので手が出なかった。Netflixで日本語字幕で配信されていたので、気軽に見ることができた。「スパイダーマン」シリーズはマーベル・スタジオの作品ではあるが映画化権はSONYが有しており、配給権もSONYが握っているためか、マーベル・スタジオの親会社であるDisneyの配信サービスDisney+では配信せず、Netflixで配信されている。今回試聴したことで、マーベル・シネマティック・ユニバースのホームビデオバージョンは全てホームシアターで鑑賞できたことになる。

映画はかなり捻ってある。マーベル・シネマティック・ユニバース・フェイズ4以降のテーマであるマルチバースをメインに扱っている映画ではあるが、他の作品と比べて一番うまく活用できている。それはマルチバースをSONYが過去製作した「スパイダーマン」シリーズとシンクロさせ、過去の「スパイダーマン」に登場したピーター・パーカー役の俳優や悪役を本人そのままに再起用し、タイムラインの違う別世界としてのピーターの活躍の話として作り込んでいるからである。なので、マーベル・スタジオ版ピーター役のトム・ホランドをはじめとして、過去の作品のピーター役のトビー・マグワイヤや、アンドリュー・ガーフィールドが登場してトム・ホランドと共演するという夢のような演出になっているところが、物語の肝である。

もう一人、アベンジャーズの一人であるドクター・ストレンジが物語の進行上大きな役割を果たすというのも、物語の肝になっている。ドクター・ストレンジの魔術が失敗したためにマルチバースが開かれる結果になってしまい、その後の展開でピーターと対立する場面があるなど、ヒーローであるはずのドクター・ストレンジがヴィラン的存在にもなっているのが特徴である。

もちろん、MJやネッドといったピーターの友人たちとの友情を描くのも物語の青春ドラマとして成立しているし、メイおばさんとのやりとりや死んでしまったトニー・スタークの友人であるハッピー・ホーガンが再登板するのも見どころではある。

2時間半近い上映時間ではあるが、かなりできのいい作品ではあるので、Netflixに加入している人や、今週の金曜の夜はテレビを見る、といった人にはお勧めしたい作品である。

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