映画「戦場のメリークリスマス 4K修復版」(NHK BSプレミアム4K)

ちょうど1年ほど前に、福岡の天神にあるKBCシネマで「戦場のメリークリスマス 4K修復版」を見に行っている。最後の劇場ロードショーだったのと、4K修復版の画質、音質の確認のために見に行っているのだが、確かに4Kならではの高精細な画質が堪能できた。

その時には、この作品がビデオや配信ではリリースされないと聞いていたので、劇場まで足を運んだのだが、2023年12月29日にNHK BSプレミアム4Kで4K修復版が放送されると聞いて、目を疑ったものである。自宅の4K環境で「戦場のメリークリスマス」が見られるのならば、これに越したことはないからである。

ただ、放送時間が夜だったのでHDDに録画をしていて、今日、鑑賞をした。作品内容はすでに劇場で鑑賞した時にも書いているし、あえて書かないが、僕が所有しているCRITERION版Blu-rayとの比較で少し書いてみたい。

今回のNHK BSプレミアム4K放送版は、確かに4K修復版をマスターにしていて、解像度は4Kだった。そのせいで映像がしっかりしていたと思う。ただ、色合いが劇場でもそうだったが、SDRの色管理に収まっていたので、臨場感あふれる色彩とまではいかなかったようである。

そして、これは日本のテレシネの問題かと思うが、画面は割と暗い。CRITERION版Blu-rayと比較しても全体的なトーンが暗いので、映像の魅力に多少欠けるきらいはある。その代わりに画面が暗いためにフィルムのグレインノイズはほぼ見えず、クリアな映像が堪能できる。

4K修復版ということもあって、日本のBlu-ray等で見られるノイズやフィルムのゴミ、埃等は一掃されていて、映像が清々しい。Amazon Prime Videoで配信されている映像はBlu-rayのマスターと同じなのでゴミや埃等目立っていて見苦しかったが、今回の4K放送版はその辺が解消されている。

音響は5.1chで放送されていたが、元々のサウンド自体がステレオ音源的鳴り方しかしていないので、さほどの効果はあげていない。ただ、坂本龍一のBGMはシーンによっては広がりのあるサラウンドになっていたと思うし、効果音も一部視聴者の頭上に配置される音響になっていた。

最後の劇場公開時には、「家庭では見られない」が売りで上映していたものが、実際にはNHK BSプレミアム4Kという制限はあるものの、家庭で再現できたのは嬉しいことである。願わくば4K UHD Blu-rayでリリースされたら最高なのだが、と思う。

おそらくはNHKが独自にテレシネしているのだと思う。字幕が最近の映画にしては珍しく縦書きで表示されていて、少々見づらかったので。再放送されるのかは知らないが、BS4K環境を持っている人には、要チェックである。

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