スター・トレック:ストレンジ・ニュー・ワールド シーズン2第10話「覇権」(Paramount+/WOWOWオンデマンド)

あらすじ

カユーガは、連邦領域外のコロニーで作業をしていた。そのコロニーはアメリカ中流家庭をモデルにしていて、医療行為を行うために来ていた。チャペルはバルカン科学アカデミーへの入学を控えてエンタープライズからカユーガに移動し、コロニーの医療行為を手助けしていた。医療行為の終わったチャペルはカユーガに戻る。

その後、バテル艦長たちは上空から大破したシャトルが落ちてくるのを見る。そして、ゴーンの母艦がコロニーを制圧するのを目撃した。バテル艦長はパイク艦長と連絡を取り合っていたのだが、ゴーンの妨害フィールドにより、連絡が途絶える。

バテルの身を案じるパイクは、連邦のルールに従わずに、コロニーまでエンタープライズを飛ばす。そこで見たのは、カユーガの大破した姿だった。生存者のサインは見つけられず、乗組員の救助は無理だったが、パイクはコロニーにまだ生存者はいるはずだと確信し、なんとかコロニーに着陸する手段を考える。

しかし、ゴーンから連邦に連絡が入り、連邦とゴーンの間に境界線が引かれ、境界線を破ったら攻撃すると警告される。それでもオルテガスの案により、カユーガのデブリのふりをして静かにシャトルを飛ばせば、ゴーンの目を誤魔化してコロニーに着陸できる、と判断して、パイク、ラアン、ムベンガ、オルテガス、カークたちはシャトルに乗り込み、コロニーに着陸する。

パイクたちはゴーンとの遭遇に備え、対ゴーン用に改造したフェイザー等の武器を装備していた。到着したコロニーで生存者を探すパイクたちだったが、コロニーにゴーンが作った妨害フィールドのタワーがあるため、生存者を探すのは困難を極めた。

それでも、生存者のサインを検知し、パイクたちはその位置に向かう。そこで見たものは、生存者のバイタルサインを模したデバイスだった。デバイスを作ったのは、大破したシャトルに乗船していたスター・バイザーの搭乗員、モンゴメリー・スコットであり、彼はゴーンの目を誤魔化す装置を生み出してなんとか命を生き延びさせていた。

そして、パイクたちはバテル艦長やコロニーの住民たちの生存者と遭遇する。パイクはなんとか生存者を救出しようと考えるが、それにはスコットが考えだしたゴーンの目を誤魔化す装置の復旧が不可欠だった。それで、大破したシャトルにパイク、バテル、スコットが赴き、デバイスを修理しようとする。

一方エンタープライズの方では、コロニーにゴーンが設置した妨害フィールド発生装置を破壊して、生存者を転送で救い出すことを考え出す。そのためには大破したカユーガの円盤部分を密かに発生装置にぶつけて破壊する必要があった。その準備をスポックが行うことになる。

カユーガでは、チャペルがかろうじて生き延びていた。彼女は生命維持装置をなんとか最小限復旧させ、どう危機を脱するか考えていたところ、カユーガをゴーンの妨害フィールド発生装置にぶつけるための作業をしていたスポックと再開する。しかし、彼らはゴーンの攻撃に遭い、苦戦する。

大破したシャトルにたどり着いてデバイスの修理を行っていたパイクたちだったが、ゴーンが彼らを襲おうとするも、なぜか襲わなかった。不思議に思ったパイクがバテルを問い詰めると、バテルにはゴーンの卵が産み付けられていた。

感想

シーズン2のファイナルエピソードは、シリーズ通じての敵になっているゴーンとの戦いがメインの話ではあるが、エンタープライズがメインというよりはバテル艦長とカユーガがメインのような話になっている。そして、そのエピソード、クライマックス、というところで話が終わってしまい、シーズン3の第1話に続く、というものすごいモヤモヤする終わり方をしてしまっているのである。

さらに、シーズン2のファイナルエピソードで、また「宇宙大作戦」のメインキャラクターであるスコッティが「ストレンジ・ニュー・ワールド」に初登場して、パイクやバテルたちと絡んで異彩を発揮し、ゴーンと対峙するためのデバイスの開発をしたという設定を持っているので、大変面白い。

チャペルも前のエピソードとの絡みでエンタープライズではなく、カユーガに乗船していたので、ゴーンの攻撃を受けて生死不明状態になっているところにも、スポックの彼女の身を案じる態度が現れていて、手に汗握る展開になっている。

話はゴーンとの対立であるが、そこで語られるエピソードは結構複雑で、しかもクライマックスのいいところで話が終了するので、続きが気になるところであるが、シーズン3は制作決定しているものの、いつ配信するかは未定なので、当分待たされることになりそうである。

それにしても、2023年12月からスタートしたParamount+の日本でのサービスによって、停滞していた「スター・トレック」シリーズが徐々に復活しつつあり、「スター・トレック:ストレンジ・ニュー・ワールド」に関して言えば、本国アメリカと同じ状態にまでなったのは、ファンとしては嬉しいところである。4月からは「スター・トレック:ディスカバリー:ファイナルシーズン」が本国アメリカとほぼ同時期に配信決定しているので、ようやく日本におけるスター・トレック視聴環境が世界的に同水準(画質やサラウンドの問題はあるにせよ)になってきたかな、と思う次第である。

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