YouTube、Arc Timesの「大手メディアはなぜダメになったのか」を視聴し、考える

引っ越しの準備が整いつつあるが、その分、自宅で音楽や映画を楽しる環境も消えてしまい、今はなんとか生かしているテレビやMacBook ProでYouTubeやAbema TVを楽しむぐらいしか娯楽がない。

そんな中、昨晩YouTubeを見ていたら、最近しばしば見るArc Timesのライブ配信の内容が面白そうだったので、さわりだけ見た。上記掲載の「大手メディアはなぜダメになったのか」というタイトルで僕が最近富に感じているマスコミの劣化について議論していたからである。

ただ、見始めると時間がかかりそうだったので、最初の20分ぐらいで見るのをやめて入浴、就寝に入ったのだが、今朝、起きて色々行っていたのだが、ふと気がつくと時間を持て余していたので、昨晩のArc Timesのライブ配信がアーカイヴされているはずと思ってMacBook ProでYouTubeを検索したら出てきた。配信時間が1時間12分とそんなに長くないので、コーヒーを飲みながら最初からアーカイヴ配信を見てしまった。

僕自身は、最近特に大手メディアが力を持っている者に対しては忖度し、力の弱い市民に対しては妙に正義感を振りかざす姿勢に辟易していたのであるが、この配信でもその筋で討論がされていて、納得できるものであった。

ただ、討論を見ていると、マスコミが力を持っているものに対しては忖度を始めたのは最近ではないのだという。配信を見ていただければわかるが、1997年ごろからその傾向はあったという。1997年ごろというと僕がまだ会社員になって数年で、そんなに社会情勢に対して何の疑問も湧かず、仕事に振り回されていた時期にあたる。

ジャーナリストの宮崎園子さんによれば、初めは地方発のニュースに大手メディアが取り組む姿勢はあったというが、ここ最近は地方のニュースでも東京から記者が来て、表層的な視点で記事を書いてしまうことが多いのだという。広島で開催されたG7サミットあたりのマスコミの対応は酷かったと述べている。宮崎園子さんは朝日新聞の阪神支局で働いていたのだそうだが、東京から記者が来て表層的な記事を書く体制になってしまったことに嫌気がさして、朝日新聞を辞めている。Arc Times編集長の尾形聡彦さんも朝日新聞出身なので、宮崎さんとの話は一致している。1997年当時は朝日新聞の発行部数が850万部ぐらいあったらしいが、今は350万部まで落ち込んでいるし、100戸のマンションができたとして、新聞を契約するのが3-5戸ぐらいらしい。

また、僕が引っかかったところは、高瀬毅さんの話で、ある年齢層以下の人は、新聞にも接しないし、テレビも見ない。ニュースはネットで知るのだが、Yahoo!ニュースで記事を読めばいい方で、大半はTikTokやInstagramあたりのSNSからニュースを知るので、ニュースの一次ソースに触れることがなく、そもそもの立ち位置が成り立っていないという話である。これは共感できる話であって、僕も「マスゴミ」と言われていても、新聞やテレビのニュース等の一次ソースに触れないと、そのニュースに対しての意見を組み立てる理論が成立しないと思っていたのだが、ある年齢以下の層には、そもそも意見を組み立てる理論自体が存在していないという驚愕の事実を突きつけられている。先般の東京都知事選挙で石丸伸二氏が躍進した理由ともリンケージしていると言える。

今の大手メディアは権力を持った人たちの言うことをそのまま大衆に伝えているだけで、大衆の意見を汲み取った反対意見を大衆や権力を持った人に伝えることも無くなった。尾形さんが朝日新聞のチーフを担当していた時には、若手が「反対意見を言って何になるのです?」という意見を述べた時にはいろいろ指導はしたらしいのだがあまり効果はなかったらしく、そういう発言をしていた若手が今のチーフあたりになっているので、大手メディアがダメになった理由は察するものがある。

総じて、話はあちらこちらに飛んではいるのだが、一次ソースであるはずのメディアがシュリンクしていて、大衆の意見を汲み取らなくなっているのが、原因だと言っている。それには僕も同意である。ただ、救いはまだこういうArc Timesやマガジン9みたいな反体制的報道をする媒体がネット上にあるだけ最後の砦になっているかなと思うところはある。

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