スター・トレック:ローワー・デッキ シーズン4 エピソード10「旧友たちと新たな惑星」(Paramount+/Amazon Prime Video)

あらすじ

マリナーを誘拐した謎の船の船長は、かつて艦隊のアカデミーの卒業式で禁じられている飛行隊形を仲間と行い、事故を引き起こして処罰されたニック・ロカルノだった。謎の船は異星人の船を破壊したかのように見せかけて自分の味方にして、連邦に対抗する独立した艦隊を作り上げていた。そして、異星人たちも上司に不満を持っていたりしたので、ロカルノの策に同意していた。

ロカルノは連邦に宣戦布告するが、ロカルノが切り札としてフェレンギから調達したジェネシス装置を、マリナーが横取りして船から脱走する。ロカルノをはじめとする異星人たちはマリナーとジェネシス装置を追いかける。

セリトスのフリーマン艦長は艦隊上層部から「手を出すな」と指示されていたが、娘であるマリナーを救うために命令を無視することにする。しかし、ロカルノのいる空域には強力なシールドが張り巡らされていて、セリトスでは突破できなかった。テンディの案により、テンディの妹のいるオリオン星にセリトスは向かい、オリオンの強力な船を貸してもらうよう依頼する。

テンディの妹は船を貸すには条件が必要とのことで、テンディと妹は決闘によりケリをつける話に持っていく。決闘するのはセリトスのセラピストとオリオン一の力持ちだったが、オリオンが勝ち、セリトスを戦利品として取られそうになる。テンディは自分がオリオンに戻る、という条件を出して、オリオンの船を借りることに成功する。しかし、オリオンの船は整備不良でまともに動かすには数ヶ月かかるという有様だった。

その頃、マリナーはロカルノ一味から必死で逃亡していた。ピンチに陥るが、イオン嵐の中に飛び込んで身を潜める。イオン嵐の中に飛び込むのはマリナーの他にはロカルノだけだった。そして、マリナーとロカルノの一対一の戦いが始まる。

感想

シーズン4の最終回は、かなりテンションの上がるエピソードだった。シリーズ通じてのコメディ要素は前話9話とおなじく影を潜め、真面目な展開で物語の結末を描くことに注力している様子が窺える。

異星人の船を攻撃していた謎の船の船長は、「新スター・トレック:ザ・ネクスト・ジェネレーション」のエピソードで描かれたニック・ロカルノであり、彼が艦隊のアカデミーで曲芸飛行を計画しているシーンが描かれているので、「新スター・トレック:ザ・ネクスト・ジェネレーション」とのリンケージが面白いなと実感した。そのシーンにはシトーも出てくるし、レギュラーだったウェスリー・クラッシャーも登場するので、「わかっているな」という感覚である。当然、ロカルノの声を演じているのはロバート・ダンカン・マクニールであり、ウェスリー・クラッシャーを演じていたのはウィル・ウィートンである。

ギャグとして面白かったのは、ロカルノが連邦に宣戦布告する時に、ボイムラーとラザフォードが「トム・パリスじゃないの?」というツッコミを入れているところだろうか。9話の時にも書いたが、ロカルノを演じたロバート・ダンカン・マクニールがのちに「スター・トレック:ヴォイジャー」でトム・パリス役でレギュラー出演していたことを笑いのネタにしているのだが、ここは素直に笑えた。

そして、ロカルノの切り札であり、マリナーが奪い取ったのが「スター・トレックII:カーンの逆襲」に登場するジェネシス装置であり、このデバイスとマリナー対ロカルノのイオン嵐内での戦いは、「スター・トレックII:カーンの逆襲」のエンタープライズ対リライアントの戦いへのオマージュと思われる。そういう意味では、過去作を見ていると大変面白いエピソードになっている。

ラストは、めでたく事件は解決をするのだが、マリナー救出のためにとったテンディの行動が次のシーズン5への布石になっているようで、最終シーズンであるシーズン5の配信開始が気になるところである。Paramount+のやる気があるのかないのかよくわからない状況では、まず「スター・トレック:ストレンジ・ニュー・ワールド」シーズン3を7月から配信するのかしないのかが気になるところでもあるので、公式発表を待ちたい。

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