今日の昼休み、テレビでYouTubeを見ていたら、ホラー小説の帝王、スティーヴン・キングがリチャード・バックマン名義で発刊した小説「死のロングウォーク」の映画化予告編が掲載されていたので、見てしまった。全米では9月に劇場公開されるのだが、日本では未定である。
「死のロングウォーク」はスティーヴン・キングの作家生活初期に書いた作品であり、スティーヴン・キング名義で発刊するには内容的に問題があったので発刊しなかったものの、スティーヴン・キングの名が売れたことで、「スティーヴン・キング名義ではなく別名で発刊したら売れるだろうか?」という欲望からリチャード・バックマン名義で発刊されたものである。僕が大学生の頃に日本語翻訳版が発刊されていたので、30年以上前の話である。
「死のロングウォーク」は、若者が「THE LONG WALK」という競技に参加するところから始まる。この競技はただ歩くだけである。しかし、ゴールは決められておらず、歩けなくなった若者が処刑され、最後の一人が生き残るまで歩き続けるという過酷な競技である。静かな展開の話ではあるが、歩くうちに仲間意識が芽生え始めた若者たちが次第に脱落して処刑され、仲間意識を失っていく様は、近未来ディストピア物としてリアリティある展開だったと認識している。
前々から映画化の噂だけはあったのだが、単に歩くだけの競技なので映像化は難しかったらしく、企画が何度も頓挫している。今回、「ハンガーゲーム」シリーズを監督したフランシス・ローレンスが監督し、LIONSGATEが配給することで、ようやく実写映画化される運びになった。予告編を見る限りでは原作に忠実なようで面白そうではある。
この後、リチャード・バックマン名義の小説としては、「バトルランナー」のリメイク版も待機している。1980年代後半に制作、公開された「バトルランナー」はアーノルド・シュワルツェネッガーが主演したとんでもないB級映画になっていたが、リメイク版の「バトルランナー」は原作に忠実そうなので、こちらも期待ができる。
実際は作品を見ないとわからないところはある。スティーヴン・キング原作小説の映画化は失敗に終わることが多いからである。原作が映像的なので映像化しやすいかというと難しいらしい。ただ、予告編では期待できそうなので、なんかの機会があれば見たいなとは思う。
コメント