レビューの詳細は、羅生門(4K UHD/Netflix)/Apple TVで観た映画のレビュー を参照のこと。Netflixでまさか、黒澤明の代表作である「羅生門」が配信されているとは思わなかったが、別の映画を探しているときに、「羅生門」が4K UHDで配信されていると知り、改めて鑑賞した次第。ストーリーは有名な作家である芥川龍之介の「藪の中」をベースに、映画化されているが、ある殺人事件の真相を探っていくうちに、証言者や当事者の発言が食い違っていき、どれが本当の話かがわからなくなる、という展開は、1950年の映画としては大変面白く、飽きることなく鑑賞できた。上映時間も88分と短い作品であるが、内容は濃密な展開である。「羅生門」とは、その事件の話を行う二人の男のいる場所で、雨宿りをしている場所ではあるが、映画を象徴しているアイコンになっている。映像は4K UHDで配信されていて、モノクロの映像が魅力的に描写されている。ただ、ビットレートが厳しいところも結構あり、映像が安定化しないところもある。音響はモノラル音声であり、役者のセリフは聞き取りづらい。音響もナローレンジで、テープのヒスノイズが聞こえるところがいくつかのシーンである。それを除いても、この映画は見るべき価値のある作品であるとは言える。邦画を滅多に見ない僕であるが、その出来の良さには唸らされた。
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