1933年のオリジナルに始まり、何度か映画化されている「キングコング」を新たなストーリーとして甦らしたのが、この「キングコング:髑髏島の巨神」である。1933年のオリジナルや、2005年のリメイクでは、謎の島に生息するキング・コングを捕らえて、ニューヨークに連れてくるが、見世物小屋から逃げ出して、エンパイア・ステート・ビルで戦うという展開ではあるが、この「キングコング:髑髏島の巨神」では、キングコングは髑髏島からは一歩も出ない。その代わりに巨大生物を追っかける研究者や、軍隊たちが、キングコングを始めとする巨大生物と遭遇し、命からがら逃走するという、サバイバル・アクション映画になっているのが特徴である。キングコングや大トカゲとの戦いや、キングコングの暴れっぷり、部下が死ぬことで復讐心に燃える軍隊の大佐という設定とか、結構燃える要素がたくさんあり、男の子にはたまらない怪獣映画になっているのではないかと思う。今週木曜にはIMAXでの上映を終了してしまうが、画面サイズはずっとシネスコサイズであるとはいえ、3D効果と5.1chサラウンドの威力はかなりのものがあり、テンションの上がる映画に仕上がっていると思う。そして、エンドクレジット後のおまけ映像は、日本が世界に誇る怪獣、ゴジラについて触れられている場面があり、今後に期待が持てそうである。ただ、制作費が高すぎて、興行収入上では赤字になっているのは気がかり。続編が作られるかは微妙な部分もあろう。世界観が1944年と1973年という過去の時代になっているのも、物語的には面白いところ。映画の「地獄の黙示録」に捧げるオマージュもあって、映画好きには楽しめる作品である。
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