あらすじ
トゥポルがエンタープライズに来てから1年が経過した。それを祝してアーチャーとタッカーは、トゥポルと会食をする。その席でトゥポルは、自分の曾祖母の話をし始める。曾祖母であるトゥミアは、1950年代のアメリカの片田舎、カーボン・クリークを訪れていたというのである。これまでバルカンと地球人とのファースト・コンタクトは2063年のゼフレム・コクレーンだとされていたために、アーチャーたちには寝耳に水であった。しかし、トゥポルは、カーボン・クリークで数ヶ月暮らしたバルカン人の話を続ける。それは異文化を持った種族が地球人を認めていく話であった。
感想
「エンタープライズ」の中では、傑作のエピソードとされている話。1950年代のアメリカの片田舎、カーボン・クリーク近くに不時着したバルカン人たちが、生き抜くために地球人と文明汚染を侵さないようにしていく中で、次第に地球人を認めるバルカン人と、地球人を認めないバルカン人が出てくるのが、物語の骨子である。ものすごく静かなエピソードで、地球人に染まっていくバルカン人の心の動きが、なかなか素晴らしい描き方をしていると思う。そしてそれに感化されたトゥミアが、地球人をこっそり助ける様も、いい感じである。話はトゥポルの与太話のような感じで終わるかと思えば、実はそうではない、という余韻を残す展開になっていて、いい話だと思う。
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