佐野元春のデビュー30周年を記念した全国ツアーのPart 1はスポークンワーズ・セッションだった。僕も東京のSHIBUYA PLEASURE PLEASUREに見に行ったが、その模様を記録していたのが、今回のDVD、「ALL FLOWERS IN TIME」LIMITED EDITION DISC ONE 「僕が旅に出る理由」である。まずはじめに驚くのが全編モノクロ映像ということ。他の記録映像ではカラーで撮っていたのだと思うから、多分編集段階でモノクロにしたのだろうと思う。モノクロにしたことでスポークンワーズの印象が変わってくる。よりソリッドになったという感じである。収録曲は多分ノーカット。ファンクラブ会報誌のセットリストを見てもカットされた曲はない。曲としてはどちらかと言うとポップな感じの曲と、本当に詩の朗読に徹している曲の2つに分類されると思う。ポップな方は乗りやすいが、詩の朗読の方はかなり難解な感じを受ける。演奏自体も僅かなラインしかないので結構神経の集中を要すると思う。どちらにしても、佐野元春の表現の広がりを感じさせるものになっているので、見ていて飽きないところはある。しかし、演奏時間としては約80分ぐらいが限度だろう。佐野元春自身もリスナーもこれ以上演奏すると疲れてしまう感じを受ける。
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