生命体8472との戦いでボーグと共同戦線を貼ったためにボーグによって改造されてしまったヴォィジャーはワープも使えずにボーグ領域内を漂っていた。その中ボーグの唯一の生き残りであるセブン・オブ・ナインはドクターの手によって徐々にインプラントを除去される。しかしそのことにセブンは反発し、ジェインウェイにボーグに戻すように主張をする。ジェインウェイは人間の尊厳性を訴えそれを拒絶する。一方生命体8472との接触により超能力が拡張してしまったケスは、セブンのインプラント除去に一役買ったりしているが、次第にその超能力を抑えきれなくなり、ヴォイジャーの船体に歪みや亀裂を起こすようになる。自分の超能力が開花することを悟ったケスは、ヴォイジャーを去る決意する。
本エピソードは「生命体8472」の後日談とでも言うべき話になっている。一つは新キャラクター、セブン・オブ・ナインの人間性を取り戻していくまでの話、もうひとつはレギュラーだったケスが番組を降板するということで、超能力が開花して船にいられなくなった話、この2つが入り交じって展開していく。どちらも緊迫感のあるストーリーで興味深かったが、対応こそ違うがジェインウェイ艦長はセブンとケス両方にとって母親的存在だったのかなという感じを持った。セブンには人間の独立性を訴えかけ、彼女がボーグから人間として歩んでいく道を指し示すと同時に、ケスに対してはこれまでの仲間意識から船を去るという決断に対しての寂しさを出している。ケスは今回人の形から分子構造が変わってしまい、最後には何だか分からない存在になってしまうが、その代わりにヴォイジャーをボーグ領域から脱出させるのみならず、約1万光年移動させるという贈り物(原題の「THE GIFT」がこれの意味を指している)を提供している。これまでヴォイジャーはほとんど長距離移動らしい展開を見せてこなかったが、今回初めて長距離移動をしているのであり、今後の帰還に向けての展開に期待が持てる。セブンもドクターと同じく人間性とは何かというテーマに向いているキャラなので、その手のエピソードが多くなりそうである。
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