庵野秀明が新たに構築したエヴァンゲリヲンの第二章。「序」が元々のTVシリーズの総集編的な展開だったのに対して、この「破」は大きく展開が異なる。といっても実は意外と本質的なものとしてはTV版と同じなのではないかと思われるフシがある。それは、コミュニケーションの不在がテーマになっている所が似ているといえば似ているのである。登場人物の立ち位置が、どの人も孤立しているような感じがしてならない。主人公のシンジは父であるゲンドウに見捨てられたと思っているし、レイはTV版の設定と同じかどうかは別として、人間でないような孤独な存在として描かれている。そしてアスカもその位置から離れることがない。新キャラであるマリは他の人物と絡むこともなく戦いに投じている。その他の人物もそんな感じで、気になった。また、カオルの言葉が引っかかる。「今度は君を幸せにするよ」というような発言は何を意味しているのか、伏線を張っているなと思う。物語の最後で続編である「Q」が2012年秋に公開決定となっているが、この先が楽しみである。
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