2019年にリリースされた、TM NETWORKからTMNに至った最初の10年の活動のうち、ビデオリリースされたライブの模様をBlu-ray化する「TM NETWORK THE VIDEOS 1984-1994」の中で、TMN活動終了のライブである「TMN final live LAST GROOVE」の5月18日公演の分を収録したのが、このビデオである。活動終了ライブは2日間にわたって繰り広げられたのだが、今回視聴したのは初日の分であり、TM NETWORK期の曲を中心に演奏が繰り広げられている。「TM NETWORK THE VIDEOS 1984-1994」の収録ビデオのうち、このディスクと5月19日の模様を収めたディスクだけ、音声仕様が異なり、2chのステレオだがハイレゾ音声のトラックと、5.1chのdts-HD MAのトラックの2つを収録している。前に佐野元春の「Film No Damage」のBlu-rayを視聴した時の5.1chサラウンドは、PCM 5.1chだったのだが、流石に「TMN final live LAST GROOVE 5.18」の方はデータ容量に限界があったのか、ロスレスのdts-HD MA 5.1chにしてデータ転送量を抑えている。
「TM NETWORK THE VIDEOS 1984-1994」は2019年に観たっきりでそのまま放置してしまっていたが、それにはこの「TMN final live LAST GROOVE 5.18」が2時間半近い収録時間で長いのと、2020年からコロナ禍に入ってしまい、マンション隣人がスピーカーでサラウンド音声を聴くと騒音クレームをつけてきたため、サラウンドで視聴できなくなったため、2019年以降そのままにしていたのである。
今日、それを視聴しようと思ったのは、AVアンプの設定を変えてダイナミックレンジを圧縮したのでボリュームを抑えて視聴してもサラウンド効果は得られるということが判明したのと、金曜あたりからいくつかの映画Blu-rayの視聴、Apple TV 4Kでの音楽試聴で特にクレームが来なかったことから、テストの意味で視聴しようと思った次第である。この視聴でクレームが来るようなら、また、AVアンプの設定やボリュームの設定見直し、さらにはヘッドフォンサラウンドでの視聴も考慮しなければならないと思っていたが、2時間半の間、特にクレームは来なかった。
このディスクは、TMN最後のライブのMCの一部を取り除いて、その代わりにリハーサルシーンを挿入することで、基本的にはライブで演奏した楽曲は全てノーカットで収録されていると思ったが、さすがに懐かしい感じはする。昔はよく聞いていたなという感じである。
映像はHD画質なのだが、ソースはおそらく16mmフィルムであり、それをNTSCのビデオフォーマットで完成させ、そのNTSCビデオフォーマットをHDにアップコンバートしているため、解像度は足りない。DVDをアップスケールしているようで、映像が破綻するシーンも多いし、色のりも昔レーザーディスクで見た時との記憶で比較すると、物足りない。ソースが16mmフィルムならば、そこからHDスキャンし直したら、そこそこの画質になりそうだが、そうしていないので、多少不満は残る。
音響は前述の通りdts-HD MA 5.1chで試聴したが、こちらはこのBlu-rayリリースのためにリマスターされているため、音の広がり感やエコー感、劇場にいるかのような反響音などが5.1chサラウンドで再現され、効果的で音の渦に巻き込まれる感じがした。確か、このBlu-rayリリース前に全国の映画館ででも5.1chサラウンドで上映会を行ったと思っているので、その迫力は見事なものである。
総じて、TMNの終了ライブとしては、TM NETWORKからTMNに至った全ての活動の集大成のライブであり、映像の不満を除けば、基本的には満足のいくBlu-rayになっているとは思う。5月19日のライブの模様をいつ見るかは、まだ決めていないが、どこかで見たいとは思う。
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