あらすじ
エンタープライズは、行方の消えたイリリア人のコロニーを調査していた。コロニーにはイオン嵐が迫っていたために、上陸班を急遽転送するが、パイク艦長とスポックは転送できなかった。
パイク艦長とスポックは図書館に退避してイオン嵐が去るのを待つことになる。
一方転送によりエンタープライズに帰還した上陸班に異常が見られるようになった。上陸班のメンバーが光を求めて危険に身を晒すようになったのである。副長であるウーナにも異常は起こっていたが、彼女は光を求めることはしなかった。
機関主任のヘマーは転送装置のバイオフィルターに異常がないかチェックしていて、医務室の転送装置が他の転送装置に行われたアップデートを行なっていないことを突き止める。
そのうちに、上陸班以外のエンタープライズクルーにも光を求めて危険に身を晒すクルーが続出し、エンタープライズは危機状態になる。ヘマーはコロニーのマントルを転送して光を吸収しようと試み、ラアンはワープコアを不安定化させて光を求めていた。ウーナはたった一人でそれを阻止していく。
コロニーに取り残されたパイク艦長とスポックは残された文献からはイリリア人が何をしようとしていたのかを知り始める。イリリア人は連邦が優性戦争の経験から禁止していた遺伝子工学に手を出しており、遺伝子操作を行なっていたために連邦とは交流がなかった。パイクとスポックの前にはイオン嵐の中を飛び回る光の物体が現れ、彼らに接近しようとしていた。
そして、イリリア人が何をしようとしていたのか、その結果として何がエンタープライズのクルーに起きたのかが判明する。
感想
このエピソードは、遺伝子工学により人体を改造したイリリア人がコロニーから消失したために調査に訪れたエンタープライズのクルーに謎の疾病が広がり、その対応にただ一人、副長のウーナが直面する、という展開である。
物語としてはクルーの過去が色々暴かれ、深みが出ていると思う。落ちになるが副長のウーナが実はイリリア人であり、遺伝子操作を受けていて本来ならば連邦の艦隊に入隊できないのに、嘘をついて艦隊に入隊しているといった事実や、ラアンが後のカーク艦長の時の宿敵であるカーン・ヌニエン・シンの末裔であるといった事実、ドクターのムベンガが実の娘を助けるために医療用転送装置を利用していたという事実など、後々の展開に広がりを見せるような設定が展開されていた。
その一方でイリリア人の失踪を探っていたエンタープライズのクルーに謎の疾病が広がり、それに対処できるのがイリリア人であるウーナだけだったというストーリー展開には緊迫感が漂い、面白く感じた。
物語の主舞台はエンタープライズ艦内なのだが、パイク艦長とスポックはコロニーに取り残されていて、イリリア人が何をしようとしていたのかを探る役割を担っていて、物語の謎解明の担当になっている部分は興味深い。
これまでのスター・トレック・シリーズからは予想できなかった新しい設定もあるが、1話完結の展開なので気軽に見ることのできる内容になっている。
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