BBC、ジャニー喜多川の性加害について追加取材、東山社長とのインタビューを見て

昨年の春にイギリスの公共放送BBCが芸能事務所ジャニーズの社長だったジャニー喜多川による所属タレントに対する性加害を報じてから、早1年が経過した。その後は、ジャニー喜多川によって性加害を受けた、と主張する被害者が続出し、ジャニーズ事務所は解体し、被害者救済会社としてのSMILE-UP.社が誕生したのは、ご承知のとおりである。

しかし、今年に入ってからもSMILE-UP.社による性被害者への補償は遅々として進まず、日本のマスコミは禊を済ませたとばかりに早くも所属タレントの起用を進める等、まさに喉元忘れれればなんとやらの状態が経過している。そんな中、被害者の一人が自殺するなど事件は大きくなっていくのにマスメディアは黙殺しているような状況である。

BBCが再びこのジャニー喜多川の性加害の事件のその後を取材した番組が、30日に配信された。僕自身はその番組は見ていない。見ていないというより見る環境がなかった、というのもあるし、別の用事もあって時間的に確保できなかった、というのも大きい。

それでも、今朝Xで知ったのだが、BBCのモビーン・アザー記者がSMILE-UP.社の東山社長に単独インタビューをした模様、35分に渡るインタビューの内容がYouTubeで公開されたので、気になって鑑賞した。僕が見た内容は、このページのトップに貼り付けている。

見ていて思ったのは、モビーン記者の質問に対して東山社長の答えが的確ではない、ということだった。意図しているのか意図していないのかまではわからないが、質問の内容に対して答えをはぐらかしていると感じられる場面が大半であった。表面上は真摯に答えを返しているのだが、質問の意図に対しての回答ではなく、単にSMILE-UP.社の方針を伝えているだけである。

日本のマスメディアのSMILE-UP.社に関する取り上げ方もおかしいとは思っていた僕だが、BBCのインタビューは結構核心をついた質問になっていたと思う。それに対しての東山社長の回答は納得できないものであった。この回答通りの会社の体質ならば、ジャニーズ事務所の時となんら変わりがない。

こういう質問を日本のマスメディアが取り上げて、SMILE-UP.社に対して厳しく追求すべきなのに、それをしないでまだ忖度しているところを見るにつれ、いまだに日本は外圧がないと変われないのか、とがっかりしてくる。BBCにおいては、今後も定期的にSMILE-UP.社に対しての追求を続けていって欲しいと思ったぐらいである。

ファンからすれば、気に入らない内容なのだろうが、ファンじゃない人の目から見たら、ジャニーズ事務所および新たにできたSMILE-UP.社は本質的に何も変わっていないのだと再認識できたインタビューだった。BBCが制作したドキュメンタリーの方もいずれはどこかで鑑賞して再確認したい。

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