レビューの詳細は、SILENT NIGHT(4K UHD Blu-ray)|サイレントナイト|輸入盤DVDで観た映画のレビューを参照のこと。
僕がこの4K UHD Blu-rayを買って見たのは、1980-2000年台に活躍した香港出身の映画監督、ジョン・ウーが久しぶりにハリウッドのアクション映画を監督した、という話を聞いたからである。買ってしばらく放置していたが、ちようど今、日本の劇場で上映していることもあり、ホームシアターで輸入盤4K UHD Blu-rayで見てみようと思って鑑賞した次第である。
1980-2000年台のジョン・ウー監督のアクション映画はレーザーディスクやDVDで何作か見ている。「男たちの挽歌」、「ブロークン・アロー」、「フェイス・オフ」、そして、トム・クルーズ主演の「M:I-2」と見た記憶はある。どの作品もジョン・ウー独特の演出が光るアクション映画だったと記憶している。
そんな思い出があったので、この「サイレントナイト」は期待をして見たのであるが、ある意味では期待外れであり、ある意味では期待通りの内容だった。
期待外れだったのは、この映画の特徴でもある「登場人物がセリフを喋らない」というところである。主人公であるブライアンはギャング団に喉を銃で撃ち抜かれてしまったために喋れなくなっている、という設定だからなのだが、ブライアン以外のキャラもほぼ喋るシーンはない。セリフの応酬のない映画がどこまで違和感を感じるかというと、想像以上に違和感だらけである。物語の起伏が平坦になっているように感じた。
期待通りだったのは、過去のジョン・ウー映画と同じトレードマークがこの作品の中でも登場することだろうか。ハードボイルドなアクションシーン、2丁拳銃、ロングコート、スローモーションといったトレードマークがやはりこの映画でも出てきて、思わず納得してしまうところはある。残念なのは鳩が飛ぶシーンがなかったことぐらいだろうか。
全体的な作品評価をすると残念な出来の作品になってしまうが、派手なアクションを眺めているだけで、元は取った気分にはなるので、映像と音響の楽しさを加味して並の出来かなと思っている。
映像はなぜか2.00:1のアスペクト比である。デジタルカメラで撮影しているのは明らかであるが、2.00:1だとちょっと中途半端である。ネイティヴ4KでDIは作られているので、4K UHD Blu-rayも高精細な映像を堪能できる。DOLBY VISIONによる光と影の加減もなかなかいい感じに出ていて、色彩がナチュラルである。
音響はDOLBY ATMOSでミックスされている。収録されている音量が異常に小さく、AVアンプのボリュームを通常より20dBも上げてようやくまともに試聴できる音量になった。ただ、DOLBY ATMOSのサラウンドフィールドの構築は素晴らしいものがある。音量が異常に小さいことを除けば、魅力的なサラウンドである。
コメント