小保方晴子著「あの日」講談社

世紀の大発見と騒がれ、次に研究が不正と判断され、論文の撤回や博士号の剥奪を受けた、小保方晴子嬢の事件の顛末を、本人の視点から描かれた本が、「このあの日」である。僕自身はSTAP細胞に関する発見や、その後の不正について、あまり関心を持っていなかったので、詳細は認識していなかった。ただ、小保方晴子嬢が一方的に悪者になっているな、という感じは持っていた。過去にブログで書いたかどうかは覚えていないが、その不正に対して、追試を行い、実験が成功しなかったことについて、研究者としてダメだろう、という趣旨は意識として残っている。ただ、今作「あの日」を読むと、研究者として希望に溢れていた小保方晴子嬢が、STAP細胞の追試で成功しないことから、次第にマスコミや、仲間であったはずの同僚研究者から次第に敵に回っていく様は、見ていてちょっと同情を覚えざるを得ない。マスコミがトピックスを持ち上げ、それを落とす、というのはよくあることではあるが、普通の女性である小保方晴子嬢にとっては、マスコミの執拗な攻撃には精神が参ってしまうのも分かる気はする。STAP細胞は、結局追試で存在しないものとして結論づけられているが、共同研究者、特に若山先生の離反に等しい行動については、首をかしげるところがある。もちろんこの「あの日」が小保方晴子嬢の1人称であることから、どこまで真実に触れているのか、疑問も残るが、小保方晴子嬢が追い詰められていく様は、かなり気の毒にも感じる。本人としては、この本を刊行することで、少しでも自分が被った悪者というイメージを払拭したいと思うのだが、一度付いたイメージを取り消すのは、容易ではないと思う。STAP細胞が本当に不正によるものであるかは、再度研究する必要があるように感じる。

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