岡崎琢磨著「珈琲店タレーランの事件簿 2 彼女はカフェオレの夢を見る」宝島社文庫

このミステリーがすごいの隠し玉として刊行され、大ヒットを記録した「珈琲店タレーランの事件簿」の続編がこの「珈琲店タレーランの事件簿 2 彼女はカフェオレの夢を見る」である。前作と同様に1章で1つの事件とその解決が描かれるが、今作はそれに加えて、物語冒頭からある事件に関係する記述が続き、全体を通してミステリーを描き切っている。本作の事件の元凶は、切間美星の妹、美空が京都にやってきて、ある人物と接触をすることから始まる事件が後半の展開になっている。物語前半は、前作と同じく他愛もない事件が多いが、後半はかなり本格的ミステリーになっていて、ページをめくる手が止められなくなる。主人公アオヤマと、美星、美空の関係も物語の胆をなしていて、後半のどんでん返しにはある種の爽快感を感じてしまう。本作もヒットしそうなので、続編が出るかなとも思うが、ラストを読むと、このままでもいいのかもと感じるところがある。表紙の絵がライトノベル調なのだけは勘弁だが。

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