映画「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」(Blu-ray)

「機動戦士ガンダム」シリーズの中で、オリジナルの脚本で映画化された初の作品が、この「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」である。物語としては、「機動戦士Zガンダム」、「機動戦士ガンダムZZ」の後を受けて、「機動戦士Zガンダム」の最終回でハマーンとの死闘の末に行方不明になったシャアが、新たにネオ・ジオンの総帥となって、地球を寒冷化させて、地球に住む愚民たちを粛清しようとする話である。それを阻止しようとするのが、シャアの永遠のライバル、アムロ・レイで、シャアの野望を叩く展開になっている。そして、物語的に重要なのが、シャアに惹かれて戦いに参戦するクエス・パラヤと、クエスが気になるブライトの息子ハサウェイ、強化人間のギュネイ・ガスとアムロ、シャアとの関係である。大人になった者たちと、子供との関わり合いが、物語のテーマの一つであると言える。ただ、その子供たちが大人になった身から見てみると、かなり鬱陶しいものがある。理想論だけ論じているので、「そんなわけないだろう」とツッコミを入れたくなるところである。シャアは、「機動戦士ガンダム」、「機動戦士Zガンダム」でもニュータイプとしての能力を発揮出来ていなかったが、この「逆襲のシャア」では、ニュータイプとしての能力を発揮していて、かなり手強い。しかし、それについて言うならば、地球連邦に監禁されていたアムロも、ニュータイプの感をかなり発揮していて、シャア以上の能力を見せていると思う。クライマックスのアクシズ落下を阻止しようとするアムロのニュータイプとしての行動は、アムロとシャアの生死を分からなくさせているが、多分この二人は死んだのだろうという感触を受ける。映像は、Blu-rayの解像度になって、セル画の手書き感の魅力がよく表れていると思う。アクペクト比を正確にするためか、映像はワイドテレビ一杯には映らず、ディスプレイの上下左右に黒帯ができる。それでも迫力は感じ取れる。音響はオリジナルのDOLBY SURROUNDなので、あまり現在の5.1chサラウンドに比べると、音場感は狭い感じを受けるが、要所要所で効果は出ていると思う。

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