成毛眞著「40歳を過ぎたら、定時に帰りなさい」PHPビジネス新書

かつてパソコン黎明期のマイクロソフトに関わり、同社の社長まで務めた著者の成毛眞氏が、40歳を過ぎたミドル・エイジに向けて書き綴った生き方の指南書が、この「40歳を過ぎたら、定時に帰りなさい」である。かつてないほど社会が激変し、ミドル・エイジにとって会社人生が難しいことになっている現代、会社に尽くすのをやめ、いかにして自分の時間や趣味、サブビジネスに時間を費やすかを、成毛眞氏特有の発想で書いている。僕なんか、メンタルの病気を患っている関係もあり、すでに会社での出世は諦めているし、賃金も頭打ちで伸びる余地はない。そう考えると、いかに自分の時間を作るかということに、頭が向くようになっている。映画をホームシアターで見る、という趣味は20歳から続けているので、何もないわけではないが、それでもこの本による指南は、結構目から鱗である。自分の時間を使って様々なことにチャレンジしてみよう、とか、そのチャレンジも自分に合わないと思ったらすぐやめてよい、3日坊主でも構わない、という考えは、意外性を持っている。そういう意味では、僕が定時で会社を上がるのにこだわっているというのも、この本によれば、裏打ちされたものになっていて、本音で言えば、心強いものがある。40歳以上の会社員は、一度目を通して見るのは、損ではないと思われる。

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