還暦を過ぎても、バックパッカースタイルで旅行を続ける旅行作家、下川裕治が、世界各国の長距離列車を乗り、数日に渡る鉄道の旅を堪能するのが、この「鉄路2万7千キロ 世界の「超」長距離列車を乗りつぶす」である。乗った列車は、インド、中国、ロシア、カナダ、アメリカの長距離列車であり、いづれも数日かけて始発から終点まで乗りつぶすというものである。しかも、想定外のトラブルがいくつも発生し、インドでは定員以上の乗客が社内にいて自分の座席が確保できないとか、食事の確保に苦労するとか、寝台車を選ばないために眠りの質が悪いとか、入浴が全くできないとか、貧乏旅行スタイルなために起きうるトラブルばかりが発生し、読んでいる読者も共感してしまうところである。この貧乏旅行スタイルを取らない下川裕治というのは想像できない。貧乏旅行の下川裕治だからできる作品になっていると思う。自分も旅行は好きだが、ここまではできないなと思いながら、楽しんで読破してしまった。旅行好きならば、読んでみるのにはオススメできる作品だと思う。
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